タイ人との結婚手続き【徹底解説】

更新:2020年7月23日

行政書士 佐久間毅

タイ人との結婚手続きについて解説する行政書士

■ひとこと解説

>> 日本先行でタイ人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。

>> タイ先行でタイ人と結婚する場合は、まずタイ人のお相手が本国政府発行の「独身証明書」を取得します。

>> 日本を先行させてもタイを先行させても、最終的に両方の国で結婚を届け出ることができます。

■くわしく解説

タイ人と日本人とのご結婚手続きは、日本を先行させてもタイを先行させてもどちらでも大丈夫ですが、どちらか片方の国の手続きを完了させただけではダメで、最終的には両国で結婚手続きを完了させる必要があります。

 

一方の国の手続きしか完了させていない状態を「跛行婚」といい、通常は配偶者ビザ等の取得に支障が生じます。

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

 ・跛行婚

 

この記事ではまず、日本先行でタイ人と日本人とがご結婚される手続きを、そのあとに、タイを先行させる結婚手続きについて解説していきます!

 

なおタイ人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずです。)。

 

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配偶者ビザの条件 

配偶者ビザ

 

■1 日本で先に、タイ人と結婚する方法

日本先行で、タイ人との結婚手続き

 

※日本の市区町村役場で求められる書類は、役所や担当者により異なりますので、かならず事前に確認します。

 

ステップ1 タイ人との結婚を日本で成立させる

 

手順1 タイの郡役場発行の「独身証明書」を取得する

 

手順2 取得した「独身証明書」をタイ外務省に持ち込み認証を受ける

 

タイ国外務省領事局 国籍・認証課 

所在地:バンコク都ラクシー区トゥンソンホン町ジェーンワタナ路123番

電話:0-2203-5000 ・ Call Center 0-2572-8442

 

手順3 タイ外務省から認証を受けた「独身証明書」を日本に郵送し、在東京タイ王国大使館で認証を受ける

 

在東京タイ王国大使館 

 

手順4 日本の市区町村役場に婚姻届を提出

 

婚姻届が受理された時点で日本側の結婚手続きは完了です。タイへの結婚の報告のために、結婚後の「戸籍謄本」を取得しましょう。

 

〇日本人の必要書類

 

・婚姻届

 

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  国際結婚 婚姻届 ※日本先行で国際結婚をする際の、婚姻届の書き方について解説しています。

 

・戸籍謄本 ※本籍地以外の市区町村役場に婚姻届を提出する場合

・身分証

 

〇タイ人の必要書類

 

・タイ外務省および在東京タイ大使館から認証を受けた「独身証明書」

・申述書(または宣誓書)

ダウンロード
申述書サンプル
見本は、在タイ日本大使館が2020年7月現在で参考として提供しているものです。予告なく変更されることがあり、市区町村役場が独自のフォーマットを用意していることがあります。
申述書_在タイ日本大使館作成.pdf
PDFファイル 46.3 KB

日本は国際結婚手続きのために「婚姻要件具備証明書」を求めていますが、タイの独身証明書では独身であることしか確認することができません。

 

婚姻要件は独身であることだけではないので、これだけでは婚姻要件のすべてを満たしているのかが証明されていないことになります。よって、内容を補う意味で、申述書を提出させることが大半です。


・パスポート原本

・在留カード原本 ※日本の中長期滞在者の場合

・その他(出生証明書など市区町村役場の指示にしたがってください)

 

ステップ2 日本で成立した結婚をタイに報告する

 

手順1 タイ側に報告するための下準備をする

 

日本の市区町村役場で取得した「戸籍謄本」は、そのままタイ側に提出することはできず、そのための「下準備」が必要です。

下準備は、タイ国内(在タイ日本国大使館)で行なう方法と、日本国内(在東京タイ王国大使館)で行なう方法の2つがあります。

 

■日本で下準備を行なう場合

 

1 日本国外務省で、「戸籍謄本」に認証を受ける

 

2 日本国外務省認証済みの「戸籍謄本」とタイ語翻訳文を大使館で翻訳認証を受ける

 

    注) 夫婦二人ともタイに帰国し、その後の申請を直接行う場合は、以下3番から5番は必要ありません 

 

3 在東京タイ王国大使館にて、委任状の申請 (タイ市区役所にて婚姻手続きを行うため)

4 在東京タイ王国大使館にて、姓名変更に関する同意書の申請  (夫婦二人ともタイに渡航できず、タイ市区役所にて婚姻書類に署名出来ない場合、 在東京タイ王国大使館にて婚姻書類に署名していただく必要があります) 

5 在東京タイ王国大使館にて、女性の敬称(ミス、ミセス)に関する証明書の申請 (タイ国籍の女性のみ)

 

■タイで下準備を行なう場合

 

在タイ日本国大使館での下準備は、申請・交付ともに、代理人可です(下記、委任状必要)。

 

1 在タイ日本国大使館へ戸籍謄本ほかを提出し、「婚姻証明書」を取得する

  ※婚姻証明書は英文で発行されます。

 

〇必要書類

 

・証明発給申請書 

・戸籍謄本 1部 ※申請前3か月以内に発行のもの

・タイ人配偶者の身分証明書及びパスポート ※パスポートをお持ちでなければ不要

・委任状 ※日本人配偶者が申請時に在タイ日本大使館へ出向くことができない場合。

 

2 在タイ日本国大使館で交付された英文の「婚姻証明書」をタイ語訳する。

 

手順2 タイ国外務省で認証を受ける

 

手順1で取得した次のいずれかの書類をタイ国外務省で認証を受ける

 

・在東京タイ王国大使館で翻訳認証を受けた戸籍謄本

・在タイ日本国大使館で交付を受けた結婚証明書とそのタイ語訳

 

手順3 タイ国郡役場に婚姻届を提出

 

届け出る郡役場はタイ人配偶者の住居登録役場でなくともよいようです。

しかしタイ人女性は「住居登録証」だけでなくパスポートの氏名欄にも敬称(ミス、ミセスの別)が記載されますが、女性がその敬称を変更したり、タイ人男女ともに婚姻後の姓を日本人の姓に変更される場合は、後に本人が登録されている郡役場に届け出る必要があります。

 

なお、タイ人が日本人配偶者の姓を名乗る場合は、日本人配偶者の同意が必要となります。

タイでの手続きに日本人配偶者が同行しない場合は、文書による「称する氏に関する同意証明書書」が必要になり、その書式は在京タイ王国大使館にて入手可能です。

 

婚姻届を提出したら、同じ郡役場で「家族状態登録簿」を取得します。

 

ステップ3 日本の配偶者ビザを申請する

両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。

タイ人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。

 

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配偶者ビザと年齢差

配偶者ビザと収入

配偶者ビザの条件 

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■2 タイで先に、タイ人と結婚する方法

タイ先行で、タイ人との結婚手続き

 

ステップ1 タイ人との結婚をタイで先に成立させる

 

手順1 在タイ日本大使館で「結婚資格宣言書」と「独身証明書」を取得する

 

申請は代理人によって可能ですが、交付は日本人の結婚当事者ご本人が受け取りにいく必要があります。

 

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結婚資格宣言書見本_在タイ日本大使館作成
2020年7月現在で在タイ日本大使館が見本として提供している結婚資格宣言書の見本です。予告なく変更されますので、最新版を入手しましょう。
結婚資格宣言書見本_在タイ日本大使館作成_2020.7現在.pdf
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独身証明書見本_在タイ日本大使館作成
2020年7月現在で在タイ日本大使館が見本として提供している独身証明書の見本です。予告なく変更されますので、最新版を入手しましょう。
独身証明書見本_在タイ日本大使館作成.pdf
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〇必要書類

 

-日本人の必要書類

 

・戸籍謄本 1部 ※申請前3ヶ月以内に取得したもの

・住民票 1部 ※申請前3ヶ月以内に取得したもの

・在職証明書 1部

・所得証明書 1部

・パスポート(原本及び身分事項ページのコピー1部)

・証明発給申請書 1部

・「結婚資格宣言書」作成のための質問書

・委任状(代理人申請の場合に必要)

 

 

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結婚資格宣言作成のための質問書見本_在タイ日本大使館作成
2020年7月現在で在タイ日本大使館が見本として提供している結婚資格宣言書作成のための質問書見本です。予告なく変更されますので、最新版を入手しましょう。
結婚資格宣言作成のための質問書見本_在タイ日本大使館作成.pdf
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証明発給申請書見本_在タイ日本大使館作成
2020年7月現在で在タイ日本大使館が見本として提供している証明発給申請書見本です。予告なく変更されますので、最新版を入手しましょう。
証明発給申請書見本_在タイ日本大使館作成.pdf
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-タイ人の必要書類

 

・身分証明書

・住居証明書

・パスポート

・婚姻歴がある場合・・・離婚登録証 (原本及びコピー1部)

・氏名の変更がある場合・・・氏名変更証 (原本及びコピー1部)

・婚姻歴はないが子供がいる場合・・・子供の出生登録証 (原本及びコピー1部)

 

 

手順2 交付された「結婚資格宣言書」と「独身証明書」をタイ語訳する

 

手順3 タイ国外務省の認証を受ける

 

手順4 タイ国郡役場で結婚届を提出し、「婚姻登録証」を取得する

 

 

ステップ2 タイで成立させた結婚を、日本に報告する

 

在タイ日本大使館へ報告することできますが2か月ほどかかりますので、日本に帰国して日本の配偶者ビザの申請を控えていらっしゃるかたは、日本の市区町村役場へ報告します。

 

〇必要書類

 

-日本人の必要書類

 

・婚姻届

 

 よく一緒に読まれている記事

 

  国際結婚 婚姻届 ※タイ先行で国際結婚をする際の、婚姻届の書き方について解説しています。

 

・婚姻登録証 ※タイ国外務省の認証が必要です。

・婚姻登録証の日本語訳

・その他、タイ人の出生証明書など市区町村役場から指定された書面

 

 

ステップ3 日本の配偶者ビザを申請する

両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。

タイ人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

配偶者ビザと年齢差

配偶者ビザと収入

配偶者ビザの条件 

配偶者ビザ

 

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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