韓国人による配偶者ビザ(結婚ビザ)申請方法Ⅲ~韓国人が自ら日本で申請し、結果を韓国で待つ~

更新:2021年2月11日

行政書士 佐久間毅

韓国人による配偶者ビザ・結婚ビザ申請
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かんたん解説

韓国人配偶者が日本で自ら申請をするが、その後出国し、結果を韓国で待つ配偶者ビザの申請方法です。
・入国までに、出入国在留管理局で在留資資格該当性の審査、在外公館で査証審査、空港の上陸審査と3回の審査を受けます。

配偶者ビザをこの申請方法で取得するメリット・デメリット

・この配偶者ビザ取得方法のメリットは、日本で配偶者ビザに変更するときに比べて、法定の審査項目(素行の善良性など)が少ないことです。
・この配偶者ビザ取得方法のデメリットは、3つの機関から審査を受けるので変更申請に比べると時間がかかりがちです。
ただし、旧制度(在外公館に在留資格認定証明書を提出することなく査証申請する方法)の利用と比較すると圧倒的に時間短縮されていますので、海外から招へいする方法としては最も所要時間が短い方法です。

くわしく解説

STEP1:韓国人が日本の出入国在留管理局に、在留資格認定証明書交付申請をする

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0.概要

日本に居住する韓国人が、じぶんのために、在留資格認定証明書交付申請をします。

在留資格認定証明書交付申請とは、在留資格認定証明書を交付してくださいと出入国在留管理局へお願いする申請です。

・自分で自分を招へいするのはおかしいと思われるかもしれませんが、在留資格認定証明書交付申請の申請人はあくまでも韓国人のご本人ですので、申請構造上はまったく不自然なものではありません。

在留資格認定証明書とは、日本の法務大臣が韓国人のお相手が在留資格「日本人の配偶者等」の資格該当性を満たしているかを事前審査して、満たしていると判断したときにそれを証明する書面です。

・在留資格認定証明書は、STEP1で出入国在留管理局から取得し、STEP2で在外公館に提示し、STEP3で入国審査官に提出する、もっとも要となる書類であるため、そのぶん取得が難しくなっています。

 

1.入国管理局へ申請するときの3つの注意点

・変更申請では「素行の善良性」が正面から問われるために、日本の在留状況に問題があるときに選択されることが多い申請方法ですが、この申請方法をとったからといって、過去の日本における違法行為がすべてなかったことになるわけではありません。かならず東京のアルファサポート行政書士事務所などビザの専門家に相談しましょう。

・韓国人のお相手は一度帰国される申請方法であるため、韓国人のお相手が日本において正社員の地位を維持しているケースは少ないです。そのため日本人配偶者の収入の継続性・安定性・額の確実な立証が求められますので、慎重に準備を進めましょう。

 

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2.申請先

日本の各都道府県にある出入国在留管理局の本局や支局、出張所のいずれかに申請します。

 

3.申請人

申請人は韓国人ご本人です。

無事に許可されると、在留資格認定証明書が発行されます。

 

不許可になった場合は、不許可理由を解消してから再申請ができますが、不許可は担当者レベルではなく法務大臣の名前による決定ですので、これを覆すことは非常に大変です。

初回から手を抜かずに申請しましょう。

 

4.許可条件

・収入の継続性・安定性・額が立証されること

・婚姻の真実性が立証されること

 

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5.必要書類

・在留資格認定証明書交付申請書

・戸籍謄本

・韓国の結婚証明書 ※韓国政府が発行し、認証済みのもの

・住民票の写し

・課税証明書

・納税証明書

・質問書

・身元保証書

・その他指示されたもの

・弱点補強書面

 

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6.在留資格認定証明書が許可されたら

・在留資格認定証明書をEMSなど確実な方法で、韓国で待っているお相手に郵送します。

 

7.在留資格認定証明書が不許可になったら

・不許可理由を解消した上で再申請をすることができます。 ただし不許可の決定は法務大臣によってなされますので、大臣の決定を覆すことは大変です。再申請のチャンスはありますが、初めから手を抜かないようにしましょう。

 

STEP2:韓国人が在韓国日本国大使館・総領事館で査証の申請をする

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0.概要

日本の空港で入国するためには、事前に査証を取得することが必要です。

 

査証とは、日本国の領事官が韓国人の所持するパスポートが有効なものであると確認するとともに、上陸港で上陸審査にあたる入国審査官にあてた、日本への入国及び在留が査証に記載された条件のもとにおいて適当であるとの推薦の意味を有しています。

 

1.査証にかんする3つの注意点

・査証審査は、不許可になっても理由が一切開示されません。不許可になったということは発給基準のいずれかを満たしていなかったということですが、どの発給基準にどのように引っかかったのかは教えてくれません。

・査証の発給が不許可となった時には、同一目的での査証申請(いわゆる再申請)は、半年間することができません。

 

・査証はあくまでも在外公館の領事官から空港にいる入国審査官への推薦状にすぎませんので、査証があっても日本への入国が保証されるわけではありません。

 

2.申請先

韓国人の結婚相手の居住地を管轄する日本大使館または総領事館を調べます。

管轄外の在外公館へは申請することができません。

 

在韓国日本国大使館 

【管轄】大韓民国(在済州及び在釜山の各総領事館の管轄地域を除く。)

 

在釜山日本国総領事館 

【管轄】釜山広域市、蔚山広域市、大邱広域市、慶尚南道、慶尚北道

 

在済州日本国総領事館 

【管轄】済州道

 

3.申請人

韓国人ご本人が申請します。

 

4.査証の発給基準

査証が発給されるためには、査証申請人が次の要件を満たしていることを確実に立証する必要があります。

査証発給基準は法律で定められたものではありませんが、外務省がホームページ上で公表しています。

 

a ) 申請人が有効な旅券を所持しており、本国への帰国又は在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。

b ) 申請に係る提出書類が適正なものであること。

c ) 申請人の本邦において行おうとする活動又は申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、入管法に定める在留資格及び在留期間に適合すること。

d ) 申請人が入管法第5条第1項各号(上陸拒否事由)のいずれにも該当しないこと。

 

d ) と関連して、韓国国内における犯罪歴が調査されます。

 

c ) と関連して、偽装婚でないことについて独自に調査されることがあります。これが調査されるときには、審査期間が長くなりがちです。

 

5.必要書類

 

・査証申請書(写真貼付 縦4.5cm×横4.5cm、背景は白、1枚)

・旅券

・在留資格認定証明書(原本)及びその写し

・住所証明書(住民登録証明書表裏写し、住民登録謄本、住民登録抄本のいずれか)

・その他指示されたもの

 

6.査証が許可されたら

・査証は、パスポートにステッカー状のものが貼付されます。 

 

7.査証が不許可になったら

・同一目的の査証申請は、半年間することができません。また、不許可の理由は開示されません。

 

ダウンロード
査証申請書(ハンドル)_在韓国日本国大使館
予告なく変更されますので、かならず最新版を入手してそちらをご使用ください。
査証申請書(韓国語)_在韓国日本国大使館.pdf
PDFファイル 184.3 KB

STEP3:日本の空港で上陸審査をうける

韓国人による配偶者ビザ・結婚ビザ申請
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0.概要

外国人が日本の空港や海港に到着したときは、検疫税関検査などのほかに、上陸審査を受けます。

上陸審査は、日本が国として韓国人のお相手を入国させるか否かについて、最終的に判断する局面です。 

 

1.許可条件

 

上陸審査の基準は、入管法に定められています。

 

① 有効な旅券及び日本国領事官等が発給した有効な査証を所持していること

② 申請に係る活動(我が国で行おうとする活動)が偽りのものでないこと

③ 我が国で行おうとする活動が,入管法に定める在留資格のいずれかに該当すること

④ 滞在予定期間が,在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること

⑤ 入管法第5条に定める上陸拒否事由に該当しないこと

  

2.必要書類

・有効なパスポート

・有効な査証

・有効な在留資格認定証明書 

 

3.注意点

・STEP1で取得した有効な在留資格認定証明書を入国審査官に提出することによって、上陸基準③(在留資格該当性)を立証しますので、くれぐれも本国に忘れないようにしましょう。

 

4.許可後

・許可されると、入国審査官が旅券に上陸許可の証印をします。また主要な空港では在留カードが交付されます。

・査証は数次ビザでない限り、上陸審査を受けた時点で使用済みとなります。

 

5.不許可後

 上陸基準を満たしていないと判断されたときは、異議申し立てをすることもできますが、多くはそのまま帰国することになります。

 

 

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・ 韓国人による配偶者ビザ申請①:韓国から呼び寄せるケース

・ 韓国人による配偶者ビザ申請②:夫婦ともに韓国など海外在住であるケース

・ 韓国人による配偶者ビザ申請③:韓国人が日本で自ら申請し、出国して結果を待つケース

・ 韓国人による配偶者ビザ申請④:中長期の在留資格から変更するケース

・ 韓国人による配偶者ビザ申請⑤:短期の在留資格から変更するケース

・ 韓国人による配偶者ビザ申請⑥:前婚の日本人と離婚して、別の日本人と結婚するケース

・ 韓国人との結婚手続き

   

この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザ