配偶者ビザの必要書類「質問書」で見ぬく、入国管理局の関心事項!!

更新日時:2020年9月28日

行政書士 佐久間毅

配偶者ビザ
目を光らせる入管職員

入国管理局は、配偶者ビザの要件を満たしていない申請を炙り出すべく、様々な情報を収集します。

入管にとって最も信用できるのは公的な書面で、戸籍謄本住民票課税証明書・納税証明書などがこれにあたります。公が発行する書面ですので、基本的にそこに嘘はありません。

 

しかしながら、配偶者ビザは「結婚」という極めて個人的な経験を審査対象にすることから、審査に必要ではあっても、公的書面では確認できない情報がありますので、これを当事者からヒアリングすることになります。

このヒアリング事項をまとめたものが、配偶者ビザ申請の必要書類の1つとなっている「質問書」です。

どうせ入管には分からないだろうとテキトウな回答をしていると、申請した後に追加の資料請求が来て質問書で回答した内容とツジツマが合わなくなり、虚偽申請がバレることになります。入管をだまして配偶者ビザを取得しようとする偽装婚ブローカーとの戦いのなかで、入管もカンタンには騙されないノウハウを蓄積しています。

 

質問書には、①入管が「知らないこと」についての質問②入管が「知っていること」についての質問③回答すると配偶者ビザだけでなく、後の各種申請にも影響を与える質問があります。

 

えっ、入管がすでに知っていることを質問して何の意味があるの???と思ったそこのあなた!

この記事がきっとお役に立てるでしょう。

 

入管は、1つだけのマイナス要因はそれを適切にカバーし、かつ、他には何らの不許可要因がないことを徹底的に立証することで大目に見てくれることもゼロではありません(致命的なものを除く。)が、2つ以上のマイナス要因を同時にかかえていると、問答無用で不許可にすることが多いので注意しましょう。入管の立場になると、マイナス要因をいくつも抱えている人は、不許可の判断を下しやすいということになります。

 

そのためには、配偶者ビザの要件をきちんと把握することが出発点となります。

配偶者ビザの条件をきちんと把握してから「質問書」を記入していくと、質問書の各記入欄がどの条件に関係しているのかがよく分かります。

 

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 ・配偶者ビザの条件

 

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1.入管が「知らないこと」についての情報収集

 

入国管理局(正式名称、出入国在留管理局)は配偶者ビザ(正式名称、在留資格「日本人の配偶者等」)申請を審査するにあたって、審査に必要な「情報」を収集しますが、その情報は申請人が口頭ではなく書面のかたちで提出する必要があります。

そして入管が配偶者ビザ申請において知りたい事項の最大公約数的なものをまとめたものが、入管所定の「必要書類」です。

 

配偶者ビザ申請の必要書類には、不要なものは何ひとつありません。日本で結婚していることは当然として、相手国でも結婚が成立して跛行婚の状態になっていないかを確認するために「外国官憲の発行した結婚証明書」の提出が求められているわけですし、

公的な書面では確認できない様々なプライベートな情報を、8ページにわたる「質問書」で収集しているということになります。

しかし、入管は興味本位でプライベートな情報を収集しているのではなく、配偶者ビザの要件を満たしていない申請を炙り出すために情報収集をしていることは言うまでもありません。

 

この質問書は、かつては質問事項も少ないごく簡単なものだったのですが、時代の変遷とともに徐々に質問事項が増えていき、現在の形に落ち着いています。今後も、少しずつバージョンアップしていくはずです。

またかつては地方入国管理局ごとに質問事項が異なりましたが、今は日本全国同じ書式なので、同じ情報に基づいて審査されることとなります。

 

配偶者ビザ申請必要書類の1つとなっている「質問書」に記載されている各種の質問事項は、他の公的書面では確認できないことで、かつ、入管が配偶者ビザ申請にあたって知りたいことがピックアップされています。

配偶者ビザ申請の審査に必要のない事項を質問するはずがない、とお考え下さい。

会ったこともない人物の、個人的なプライバシーに、入管は何の興味もありません。配偶者ビザの審査に必要のない情報を収集しても、審査官にとっては手間が増えるだけの「雑音」でしかないのです。

自分の仕事の遂行に必要な情報「のみ」を集めたいと考えるのは、当然のことと言えるでしょう。

 

裏を返せば、質問書で記入が求められている情報はすべて、入管が審査にあたって知っておきたい事実であり、審査に活用される事実なのです。

 

今住んでいる家の間取りは何LDKか?、家賃はいくらか?、結婚式はどこで挙げたのか?、参列者は何人で親族はだれが参加したのか?、親兄弟など親族構成、夫婦の子以外にも結婚前に別の子がいるのか?、親族のなかで結婚を知っているのは誰で連絡が取れる電話番号は何番か?、などなどです。

 

追って詳しく1つ1つご説明していきますが、家の間取りが夫婦が住むのに狭すぎれば本当に同居する気がないのではないかとの疑義につながり、家賃が収入に比較して高すぎれば、生計が成り立たないのではとの疑義につながり、

結婚式を挙げていなければ親族や友人の誰が結婚を知っていて祝福しているのかが判明せず、参列者が少なければ相手国の法律で強制された最小限度の結婚式なのかもしれず、夫婦の子以外にも子がいるのであればその子を扶養する分だけ収入が多くある必要があり、

親族の記載があっても電話番号の記載がなければ連絡を取られたくない親族であるか電話番号も知らない間柄の親族である可能性が出てきます。

 

2.入管が「知っていること」の再チェック

 

ちょっと意地悪に思うかもしれませんが、すでに入管が把握ずみであることが、きちんと質問書に書き込まれているかどうかも確認されています。

 

例えば、外国人の過去の日本への出入国のレコードは、当然、コンピュータ管理で入管にすべて整理・保管されています。それなのに「質問書」には、外国人の入国日と出国日を詳細に記載することが求められます。

パソコンをたたけば申請人の過去の出入国歴はわかるはずなのに、わざわざ申請人に自己申告させるのは、その記載が質問書全体の正確性を図るひとつのバロメーターにもなるからです。

 

配偶者ビザ申請の必要書類の1つである「質問書」において記載が求められる「過去の出入国の履歴」を、パスポートのスタンプで1つ1つ確認するのが面倒で、テキトウ又はアバウトに記載される方がいらっしゃいますが、

正確な出入国歴が手元にある審査官はそれと照らし合わせながら、「この質問書全体が、ひいては申請全体がテキトウなのだな」という心証を形成することになります。

 

一事が万事で、質問書の細かなところまでが正確に記載されていれば、質問書の「全体」にも信ぴょう性が生まれ、さらには「申請全体」の信ぴょう性にもつながっていきます。

 

また過去の日本への短期訪問については、その来日目的もチェックされています。在外公館に短期ビザを申請したときには単なる「観光」として滞在予定を明らかにしたにもかかわらず、実際には、結婚のための書類を準備万端整えて来日していたとしたら、短期ビザ申請時に在外公館へ提出した「滞在予定表」において「真の」目的を記載していなかったと判断されるでしょう。

小さな隠し事をする人は、大きな隠し事もしているのではないかと疑われてしまうことにつながります。

 

3.今後の申請時にも尾を引く「質問書」の記載

 

例えば、お相手の母国に、外国人のお相手に子供がいるが、あなたとの子ではなく、その存在を何らかの理由で質問書に記載しなかったとします。

お相手が子の存在をあなたに隠していたので書けなかったということもあるでしょうし、子供がいることは知っているが名前を教えてくれないというケースもあるでしょうし、未婚の状態で産んだ子で、かつ、実父も誰だかわからないので、配偶者ビザ申請における心証が悪そうなので書かなかったということもあるかもしれません。理由は様々でしょう。

 

しかしそうすると、配偶者ビザが許可された後に、次にこんどはその子を連れ子として日本に招聘しようとしても、なかなか許可が下りないことになります。入管からしてみれば、「配偶者ビザ申請の際には、お子さんはいないと申告していましたよね?」というわけです。

 

都合の良い時だけ「子供がいます」と主張してもなかなか通用するものではありませんから、質問書の記載の1つ1つが今後の入管当局への各種申請にも影響を与えることを意識して、真実を記載しなければなりません。

 

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4.具体的にはどんなことが質問されるの?

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配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事1:同居者は誰か?

 

結婚後もご両親と同居して住まわれる場合は、メリットとデメリットがあります。メリットは家賃がかからないので、生活費が少なくて済み、低い収入をカバーできるということです。しかしながらこれは、「独立して生計を営む能力がない」ことと裏腹なので、下手な申請をすると不許可となるので配偶者ビザの申請には細心の注意が必要です。

もちろん、二世帯住宅や同じ敷地に建物が2棟あることもよくあるのでケースバイケースの検討を要します。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事2:持ち家か借家か?

 

住居が自己所有か借家かについては、2つのポイントがあります。まず、仮に自己所有であっても住宅ローンが残っている場合には、家賃を支払う代わりに返済をしているわけなので、生計にそれほどプラス面はないでしょう。

しかしながら、住宅ローンが組めるということは、銀行がお金を貸すことができる経済状況にあると判断したということなので、その点の評価があります。

また、戸建ての場合には、単身者用の戸建てというものは注文住宅でなければあまりないので、夫婦が生活するに十分な居住スペースがあることが多く、この点でもプラスです。

マンションの場合は単身者用のマンションもありますので、この場合は、後述の「間取り」に気をつけましょう。

自己所有であってもそれが「実家」である場合には、登記上の所有者(登記名義)はお父様やお母様であることが多いので、この場合は申請人ご夫婦の経済力の裏付けにはなりません。

 

なお配偶者ビザ申請において最も実態調査(現地調査)の対象となりやすいのが、「住居」です。外から観察するだけで実に多くの情報を得られますし、本当にそこに住んでいるのかを確認するために家に訪問されることもあります。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事3:家賃はいくらか?

 

借家の場合は、家賃と収入のバランスが取れていることが大切です。例えば都内にお住まいの方が、「手取り17万円で、家賃が15万円」のばあい、どうやって生計を立てているのか疑義が生じるので、不許可となりやすいことはご想像できると思います。

 

たとえ収入が低めでも、家賃が抑えられており、かつ、それなりの間取りが確保できていれば心配はなく、逆に収入は高くても、その収入では不可能に思われる家賃の家に住んでいると逆に説明が必要となるのです。

要するにバランスの問題なのですが、家賃の額は配偶者ビザの申請後に「賃貸契約書」で証明を求められますので、ごまかすことなく真実のままを記載します。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事4:家の間取りは何LDK?

 

借家の場合は、マンションの持ち家と同様に、夫婦が生活していけるだけの居住スペースが確保されているのかについてチェックされます。

国の調査においても、結婚前の準備として多くのカップルが「結婚後の住居の確保」を行っていますし、偽装婚の場合は(結婚後も独身者として生活するので)2人が居住できる十分なスペースは不要なことから、配偶者ビザの審査における偽装婚との判別においてかなり重視されているファクターです。

すでに結婚が成立しているのに単身者用の住居に住んでいる場合は、その意図が明らかでないので、すでに十分な居住空間を確保しておりいつでも夫婦生活を始められる準備万端のカップルに比べると不利になります。

もちろんその意図を明らかにすれば、入管の疑念をある程度は払しょくできるでしょう。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事5:あなたの就職先はどこ?

 

外資系の会社に勤めている場合は、英語力など語学力の間接的な証明にすることもできます。

 

中小企業であっても特に問題を感じることはありませんが、会社の規模がその会社が発行する書面の信ぴょう性に影響を与えることには気をつけましょう。

大企業が事務処理的・機械的に発行する書面は信用力が高いですが、小さな会社が手作りで作成する書面は、信用力が小さくなります。

特に親族が経営する会社である場合には、配偶者ビザ申請時に「無職」であることを避けるために一時的に(親族に頼み込んで)就職し、許可後すぐに辞めるつもりではないことを疎明するなど、工夫が必要です。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事6:あなたの職務内容は?

 

海外営業など国際業務に携わっている場合には、英語などの語学力の間接的な証明にすることもできます。

その他は、どのような職務内容であっても、基本的に有利不利はありません。

職務内容で有利不利はありませんが、雇用形態(正社員なのかアルバイト・派遣社員・契約社員なのか)に配偶者ビザ審査上の有利不利はありますので、なるべくなら雇用期間に期間の定めのない正社員になることをお勧めします。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事7:あなたが今の職場に就職したのはいつ?

 

今の会社に就職してどれくらいの期間が経過しているのかは、配偶者ビザの審査において「収入の継続性」を判断するための重要な情報になります。入社日から日がたっていればいるほど有利なことは言うまでもないでしょう。

配偶者ビザ申請時に「無職」を避けるためにとりあえず就職し、許可されたらすぐに退職してしまう方も少なからずいらっしゃるので、やはり3年が目途と言えます。

銀行の住宅ローンの審査も、入社して3年がひとつの基準となっています。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事8:結婚に至った経緯は?

 

交際期間と、交際の「質」が問われます。インターネットで知り合ったのが5年前で、はじめて対面で会ったのが1年前ならば、配偶者ビザの審査において交際期間5年とは評価されません。

親族に対面で挨拶をしているかなども重要なポイントです。日本人同士の結婚で、お相手の両親に対面で挨拶せずに結婚してしまうことはあまりありません。

国際結婚ですとどうしても手間を惜しみがちですが、北海道出身者と沖縄出身者が結婚する場合に省かないことは、国際結婚においても省かれないとお考え下さい。

結婚式は省かれるかたも多いですが、ご両親への対面の挨拶を省くかたは国際結婚においても「圧倒的に少数派」であることに気をつけましょう。

偽装婚では、互いに自分の両親に対面で紹介することは少ないので、ひとつのチェックポイントとなっています。

圧倒的大多数のかたは面倒ではあっても結婚前にお相手のご両親に対面で挨拶に行かれるので、わざわざ「出向く」というひと手間をかけると、それだけ偽装婚の疑いを遠ざけます。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事9:紹介者はいたか? いる場合は、紹介者との関係は濃いか?

 

紹介者がいても良いのですが、自然なかたちの紹介が望ましく、たとえ紹介者が親族などのお身内であっても、実質的なブローカーとしての役割を果たしているときには、配偶者ビザの審査において入管の警戒度が高まります。

また善良な紹介者であっても、紹介者が言語的なサポートから結婚手続きの遂行まであらゆる方面でのお膳立てをしており、そのお膳立てがなければおよそ結婚が成立することがなかったであろうケースも警戒度が高まります。

この場合は、「結婚の継続性」に疑義が生じるからです。その疑義は、立証責任との関係で申請人側の責任において払しょくする必要があります。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事10:夫婦間の会話で使われている言語は?

 

何語だから配偶者ビザの審査において有利ということはありません。自分の意思を的確に表現でき、コミュニケーションがとれる言語であればOKです。

自分の意思を的確に表現できる語学力がない場合は、お相手はあなたの内心を的確に理解しておらず、あなたもお相手の内心を的確に理解していない可能性が高まり、お互いをよく理解しないままに結婚をしている可能性が出てくるので入管の警戒度が高まります。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事11:お相手は日本語をどの程度理解できますか?

 

お相手が必ずしも日本語を話すことができなくても構いません。その場合は、あなたが外国語にそれなりに精通している必要があります。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事12:あなたはお相手の母国語をどの程度理解できますか?

 

お相手が日本語を話すことができるのであれば、あなたがお相手の母語を話せる必要はありませんのでご心配はいりません。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事13:日本側の「結婚届」の証人2人は誰がなりましたか?

 

ここに記載されているのが両親や兄弟などの親族であれば、その親族は確実におふたりの結婚を「知っている」ので、その間接的な証明にすることができます。

偽装婚の場合は、親族や親友が証人となるケースは少なく、ブローカーなどご夫婦と関係の浅い人物が証人になることが多いです。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事14:結婚式は、いつどこで行ない、誰が参加しましたか?

 

結婚式は挙げている方が有利となりますが、これは結婚が周りの人にオープンになっているので、その分だけ配偶者ビザの審査をするときに偽装婚の疑いが少なくなるからです。

しかしながら、交際期間の短さを、結婚式を挙げていることにより帳消しにできるほどの効果はありません。

交際期間を確保するには積み重ねが必要で、国の統計で平均的とされている4年の交際はそうそう簡単に偽装できるものではありませんが、結婚式は単発的なものだからです。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事15:初婚ですか? 離婚歴はありますか?

 

初婚同士がもっとも望ましいですが、離婚歴があっても日本人が日本人と長年連れ添った末に離婚しているなど、配偶者ビザの審査において何ら問題がないケースもあります。

逆に前婚が外国人で、そのかたが日本人の配偶者ビザを取得して日本に滞在していたケースなどは入管の警戒度が高まります。

いろいろな形態がありますが、簡単に言うと、「日本のビザが絡んだ前婚」と、「回数の多い離婚」が不許可になりやすくなります。

後者は、ビザは絡んでいなくても、今回の結婚の「真実味」と申請の「説得力」に疑義が生じるためです。その疑義は、立証責任との関係で申請人側の責任において払しょくする必要があります。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事16:お相手は過去に何回日本を訪問したことがあり、来日目的は何か?

 

日本滞在歴が長ければ長いほど、あなたと対面で密な交際ができることになるので配偶者ビザ申請には有利な事情となりますが、あなたが相手国に仕事や留学などで長期滞在している場合はご心配いりません。

 

この項目では、お相手が結婚の挨拶のために、あなたのご両親を対面で訪問しているかどうかなど色々なことが確認されています。

一度も来日していなければ、お相手とあなたのご両親が対面で会っている可能性が、(国外で会っているケースを除いて)無くなります。

それだけでなく、圧倒的大多数のカップルにおいて、長期の滞在の前に日本がどんな国なのか短期間の下見をするのが普通ですから、

その手間を省いている場合は、結婚の過程そのものが駆け足で拙速であるとのイメージを与えがちなので、そうではないことをアピールしましょう。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事17:あなたは、お相手の母国を何回訪問したことがあるか?

 

あなたが、お相手の母国に長く滞在していればしているほど配偶者ビザ申請には有利な事情となりますが、お相手が日本に仕事や留学などで長期滞在している場合はご心配いりません。あなたの訪問回数が、対面での交際歴に影響を与えないからです。

 

回数が多い場合は、お相手の親族と十分な時間を過ごしているケースが多く、心配事項が減ります。一方で、一度もお相手の母国を訪問していなければ、あなたとお相手のご両親が対面で会っている可能性が、小さくなります。

しかし今後日本で生活するからこそ日本の配偶者ビザを申請するわけなので、「お相手が一度も来日したことがなく日本をよく知らない」よりも、「あなたがお相手の母国を一度も訪問したことがなくお相手の国をよく知らない」ほうが、マイナスの度合いは小さいと言えます。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事18:お相手は、日本を退去強制されたことがあるか?

 

退去強制とは別の言い方をすると「国外追放」です。理由が何であれ日本から「追放」されてしまった方を、配偶者ビザで再び呼び寄せることは容易ではありません。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事19:両家の親族構成は?

 

どのような親族構成だから有利だということがあるはずもありません。ありのままを書いていただければ大丈夫です。

実父が誰であるか不明(出生証明書の父親欄が空欄)であったり、音信不通(生きているとは思われるが住所や電話番号が不明)の親族がいても、配偶者ビザの審査上、特に問題ありません。

 

配偶者ビザ必要書類「質問書」における入管の関心事20:お子さんはいるか?

 

お二人の間に生まれたお子さんを記載しないケースはないでしょう。問題は、お相手に、あなたとの間の子でない子がいる場合です。

例えば前夫や前妻との間に子供がいる場合、その子と対面したことがない場合は注意しましょう。できれば、写真で対面の事実を証明したいものです。

 

お相手にとって自分の子はかけがえのない宝です。そのわが子をあなたに対面させていれば、あなたが十分に信用されていることの間接的な証拠になります。

しかし、かけがえのないわが子をあなたに合わせていないか、その証明ができない場合、その真意がどこにあるのか入管は警戒しますので、配偶者ビザの申請書類の中で、その疑念を取り払ってあげる必要があります。

 

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■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京・六本木で国際結婚や配偶者ビザを日本有数のレベルでお手伝いしているビザ申請のエキスパート。

アルファサポート行政書士事務所代表