フランス人との結婚手続き【徹底解説】

更新:2021年2月24日

行政書士 佐久間毅

フランス人との結婚手続きについて解説する行政書士

この記事では、フランス人と日本人との結婚手続きについて、

日本で先に結婚する方法と、フランスで先に結婚手続きを行なう方法にわけて、

東京のアルファサポート行政書士事務所がくわしく解説します!

 

なおフランス人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、

交際期間が短い、収入の継続性・安定性・額に問題があるケースです。

 

問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう。

 

配偶者ビザの条件の中には、国際結婚の完了後にはどうにもできない問題がいくつかあります(例えば交際期間など。)。

まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずですので、関連記事「配偶者ビザの条件」などをよくご確認ください。

 

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■ひとこと解説

>> 日本先行でフランス人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。

>> フランス先行でフランス人と結婚する場合は、日本人が戸籍謄本アポスティーユを取得します。

>> 日本先行で結婚しても、フランス先行で結婚をしても、最終的に両方の国で結婚を届け出ることができます。

■くわしく解説

■1 フランスと日本、どちらの国で先に結婚しても大変さは同じなの?

いいえ、同じではありません。フランスではフランス法に基づいて、日本では日本法に基づいて結婚するためです。

したがって、カップルが置かれている様々な状況によって、どちらを選択すべきかが違ってきます。

以下を参考に決定しましょう。

 

■2 フランス人と【日本で先に】結婚をすることのメリット・デメリット

日本先行で、フランス人との結婚手続き

 

フランス人と日本で先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。

 

<メリット>

・お二人が日本に滞在している場合には便利な方法である

 

<デメリット>

・最終的にフランス側の結婚手続きがすべて完了(家族手帳の受領)するまでに時間がかかる

・日本の市区町村役場での結婚の際は、かならずフランス人配偶者の同行が必要(日本人のみでは婚姻届の提出ができない)

 

【解説】

 

日本に日本人とフランス人の結婚当事者おふたりがいらっしゃるときに、多く選択されている方法です。

日本法の要求ではなくフランス法の要求により、日本の市区町村役場での結婚届の提出の際には、フランス人の結婚当事者の同行が求められます(後述)。

 

 

■3 フランス人と【フランスで先に】結婚することのメリット・デメリット

フランス先行で、フランス人との結婚手続き

 

フランス人とフランスで先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。

 

<メリット>

・おふたりがフランスに滞在しているときに便利な方法である

 

<デメリット>

・フランスの役所で、偽装婚をふるい分けるための聴聞(ヒアリング)が行なわれるケースが多い

 ※ただし聴聞(ヒアリング)は、日本先行の場合も在日フランス大使館によって行なわれることがあります

 

【解説】

 

現在お二人がフランスにいらっしゃるのであれば、フランス先行の結婚が選択されるでしょう。

 

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■4 フランス人と【日本先行】で結婚をする手続き

日本先行で、フランス人との結婚手続き

 

日本人とフランス人が日本先行で結婚をする場合の手続きは、5ステップで完了します。

日本で結婚生活を送る場合はStep6に進みましょう。

 

Step1:日本人が、日本外務省で戸籍謄本にアポスティーユを取得する

 

戸籍謄本はつぎのStep2で在日フランス大使館へ提出することとなりますが、市区町村役場が発行した戸籍謄本が本物であるか在日フランス大使館は判別できないため、日本外務省のお墨付き(アポスティーユ)を取得します。

 

 

Step2:フランス人が、在日フランス大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得する

 

フランス人が「婚姻要件具備証明書(certificat de capacité à mariage)」を取得する準備として、フランスで「出生証明書」をまず準備し、他の書面とともに在日フランス大使館に持ち込みます。

 

【必要書類】

 

2種類の情報シートに記入し、署名したうえで、下記の書面を収集します。

・共通情報シート ※PDFご参照

・個別関連情報シート ※PDFご参照

 

●フランス人

 

1 パスポート写し

2 在留カード写し ※日本在住者の場合

3 住所証明書

4 出生証明書 ※3カ月以内にフランスの市役所で発行されたもの

5 フランス人の国籍証明書

 

●日本人

 

1 パスポート(身分事項欄)の写し

2 戸籍謄本 ※3カ月以内のもので、Step1で日本外務省からアポスティーユを貼付されたもの

3 戸籍謄本の仏語訳 ※公認翻訳者によるもの

 

【所要時間】

 

申請から発行までにはつぎの時間がかかります。これはフランス法の要求によるものです。

 

・フランス人が日本に居住している場合 約4週間

・フランス人がフランスに居住している場合 約6週間

 

居住地により発行までの時間が異なるのは、結婚の公告を日本のみで行なうか、外国でも行なうかの違いです。

外国でも行なう場合は、在日フランス大使館が外国に手配をするため、さらに余計に時間がかかることとなります。

 

婚姻要件具備証明書が発行されると、在日フランス大使館からメールで通知が来ます。

 

ダウンロード
婚姻要件具備証明書_必要書類リスト
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
婚姻要件具備証明書_必要書類リスト.pdf
PDFファイル 683.5 KB
ダウンロード
婚姻要件具備証明書_共通情報シート
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
共通情報シート.pdf
PDFファイル 629.1 KB
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婚姻要件具備証明書_個別関連情報シート
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
個別関連情報シート.pdf
PDFファイル 641.8 KB

Step3:日本の市区町村役場へ婚姻届を提出

 

日本の市区町村役場へ結婚届を提出し、結婚を成立させます。

日本法は日本人のみが結婚届を提出しても結婚を成立させますが、フランス法が結婚を認めてくれません。

かならず日本人とフランス人がそろって結婚届を提出しにいきましょう。

 

【必要書類】

 

・婚姻届

・フランス人の婚姻要件具備証明書

・フランス人のパスポート

・日本人の本人確認書類

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚をする場合

・その他指示されたもの

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。

 

 ・国際結婚 婚姻届

 

Step4:日本人が、日本外務省で「婚姻届記載事項証明書」にアポスティーユを取得する

 

婚姻届記載事項証明書はつぎのStep5で在日フランス大使館へ提出することとなりますが、市区町村役場が発行した婚姻届記載事項証明書が本物であるか在日フランス大使館は判別できないため、日本外務省のお墨付き(アポスティーユ)を取得します。

 

 

Step5:フランス側に、日本で成立した結婚を報告

 

日本で結婚を成立させたあと、在日フランス大使館においてフランス政府に結婚を報告します。

 

【必要書類】

 

・結婚証明書転記申請書 ※Wordファイルご参照

・婚姻届記載事項証明書 ※日本外務省のアポスティーユ取得済み

・フランス語訳

 

書類がそろったら、在日フランス大使館へ郵送または予約のうえ持参して提出します。

 

【所要時間】

・平均2カ月間

 

在日フランス大使館で処理するわけではなく、フランス本国へ書類を送って本国で処理するため、2か月の時間を要します。

完了すると、結婚証明書(COPIE INTEGRALE D'ACTE DE MARIAGE)と家族手帳(Livret de Famille)を受領できます。

 

ダウンロード
結婚証明書転記申請書
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
結婚証明書転記申請書.doc
Microsoft Word 38.0 KB

 

Step6:日本の配偶者ビザを申請する

 

日本での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。

フランス人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。

 

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■5 フランス人と【フランス先行】で結婚する手続き

フランス先行で、フランス人との結婚手続き

Step1:日本人が、日本外務省で戸籍謄本にアポスティーユを取得する

 

 

市区町村役場が発行した戸籍謄本が本物であるかフランスの役所(Mairie)は判別できないため、日本外務省のお墨付き(アポスティーユ)を取得します。

 

Step2:在フランス日本大使館で「独身証明書」等を取得する

 

日本人が、在フランス日本国大使館又は領事館で、つぎの書面を取得します。

結婚に必要な書面は役所(Mairie)ごとに少しずつ異なりますので、事前に確認しましょう。

 

【取得書面】

 

初婚の場合

 

・出生証明書EXTRAIT D'ACTE DE NAISSANCE

・独身証明書CERTIFICAT DE CAPACITE MATRIMONIALE

・慣習証明書CERTIFICAT DE COUTUME

 

再婚の場合

 

・出生証明書EXTRAIT D'ACTE DE NAISSANCE

・婚姻および離婚証明書(CERTIFICAT DE MARIAGE ET DE DIVORCE)

・独身証明書CERTIFICAT DE CAPACITE MATRIMONIALE

・慣習証明書CERTIFICAT DE COUTUME

 

 

【必要書類】

 

初婚の場合

 

・申請書

・戸籍謄本および改製原戸籍謄本(全て、アポスティーユ付;3ヶ月以内に発行されたもの)

・除籍謄本 ※場合により 

・フランス市役所発行の必要書類リスト

・パスポート

・手数料(慣習証明書は無料)

・その他指示されたもの 

 

再婚の場合

 

※ 再婚の場合、役所により要求する書類がかなり異なります。

 

・申請書

・本人の戸籍謄本(アポスティーユ付;3ヶ月以内に発行されたもの)

・前婚姻及び離婚の事実の記載のある(前配偶者)の戸籍(除籍)謄本(アポスティーユ付;3ヶ月以内に発行されたもの)

 ※戸籍謄本は、前婚姻当初から現在までの全てのものをご用意ください。 

 ※女性の場合は前夫の戸籍(除籍)謄本(アポスティーユ付)も必要となる場合があります。

・フランス市役所発行の必要書類リスト

・パスポート

・手数料(慣習証明書は無料)

 

ダウンロード
婚姻用申請書_初婚・離婚
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
婚姻用申請書(再婚)_在フランス日本大使館.pdf
PDFファイル 116.6 KB
ダウンロード
婚姻及び離婚証明申請書_離婚
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
婚姻及び離婚証明申請書.pdf
PDFファイル 115.9 KB

Step3:フランスで結婚を成立させる

 

通常は当事者のどちらか一方が住んでいる町の役所(Mairie)で結婚手続きを行ないます。

どこの役所でも結婚できるのではなく、役所で結婚するためには、居住要件(例えば、当事者の一方が少なくとも40日間居住している等)がありますので、かならず確認しておきましょう。

 

3.1  町の役所(Mairie)へ書類を提出し、結婚の意思を届出る

 

ここでは書類が精査され問題がなければ、「Guide des futurs époux」という小冊子を渡されます。

この小冊子には後日、結婚の証人の情報を記入するなどして、結婚式当日に忘れずに持参します。

 

【必要書類】

・フランス人の居住証明書

・フランス人の出生証明書

・日本人が在フランス日本国大使館で取得した書面

・戸籍謄本

・両名のパスポート原本

・その他指示されたもの

 

3.2  10日間の公示期間

 

結婚の意思の届出があると、役所(Mairie)は結婚の公告を10日間おこないます。

10日以内に異議を申し立てる者が現れないときには、次のステップに進めます。

 

3.3  聴聞(ヒアリング)を受ける

 

結婚の公告が無事に終了すると、結婚当事者2名が町の役所(Mairie)に呼び出され、別室でインタビューを受けます。

出会いの経緯やどの時点でどちらから結婚を申し出たのかなどがヒアリングされます。

カップルに別室で同じことを尋ね、後に照らし合わせて同じことを言っているか確認されます。

 

また、お相手の趣味や好きな食べ物や本、アレルギーはあるか等、恋人であれば知っていて当然であることが質問されます。

アルファサポート行政書士事務所のお客様のお話では、偽装婚でなければ何も心配のない雑談のような内容であるとのことです。

 

インタビューの終了後に、結婚式の日取りを設定します。

 

3.4 結婚式

 

婚姻日当日に当事者および証人が出頭して、市長の面前で婚姻の宣誓を行うことにより成立します。

「Guide des futurs époux」を忘れずに持参します。

 

結婚証明書は、オンラインでも請求することが可能です。

 

ダウンロード
結婚ガイドブック ※地区ごとに異なる
地区により異なります。また予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身でご自身の地区の最新版を入手してそちらをご使用ください。
GUIDE DES FUTURS EPOUX.pdf
PDFファイル 495.1 KB

Step4:日本に結婚を報告する

 

日本に帰国してから、または在フランス日本国大使館で、フランスで結婚が成立したことを報告します。

 

【必要書類】

 

・婚姻届

・フランスの婚姻証明書CERTIFICAT DE CAPACITE MATRIMONIALE

・婚姻登録証明書の日本語訳 ※PDFをご参照。

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合

・日本人の本人確認書類

・フランス人の出生証明書 

・フランス人の出生証明書の日本語訳

・フランス人のパスポート

・その他指示されたもの

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。

 

 ・国際結婚 婚姻届

 

 

ダウンロード
結婚証明書_日本語訳フォーマット
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
結婚証明書_日本語訳フォーマット.pdf
PDFファイル 65.1 KB

Step5:日本の配偶者ビザを申請する

 

両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。

フランス人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

配偶者ビザと年齢差

配偶者ビザと収入

配偶者ビザの条件 

配偶者ビザ

フランス人による配偶者ビザ申請

 

 

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■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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