婚姻要件具備証明書(海外先行)

更新日時:2020年6月21日

行政書士 佐久間毅

婚姻要件具備証明書

■ひとこと解説

>>  婚姻要件具備証明書とは、結婚当事者が自分の国籍国の法律に照らして結婚することができる状況にあることについて、

その国の権限ある官憲が証明した書面のことをいいます。

>>  海外で先に結婚をする場合には、日本人が日本の法律に基づいて結婚をすることができる状況にあることを証明する必要があります。このため、日本の法務局日本人の「婚姻要件具備証明書」を取得します。

■くわしく解説

■海外先行の場合は、日本人の「婚姻要件具備証明書」が必要です

婚姻要件具備証明書とは、結婚当事者が自国の法律にてらして結婚することができる状況にあることを、その国の権限のある官憲が証明する書面のことを言います。

 

海外で先に結婚手続きを行なう場合には、その国の政府は、日本からやってきたあなたが、日本の法律に基づいて結婚することができるのかどうかは全くわかりません。相手国の政府は日本の民法が婚姻の条件をどのように定めているのかを逐一フォローしていませんし、仮にしていたとしてもその条件をあなたが満たしているかどうかは知り得ません。

 

あなたが日本の民法に照らして結婚することができるのか分からないと、海外の政府は、あなたを結婚させてよいものか判断できません。

 

そこであなたが日本の法律に基づいて結婚することができる状況にあることを、日本政府に証明してもらう必要が出てきます。そのために作成される書面が「婚姻要件具備証明書」で、ちょっと難しい名前ですが、「婚姻要件(こんいんようけん)」を「具備(ぐび)」していることを「証明」するための書面です。日本では戸籍事務を取り扱う「法務局」という役所が発行してくれます。

 

■日本の法務局での「婚姻要件具備証明書」の取得方法

不正取得防止のため、必ず本人が法務局に出向いて申請する必要があります。代理人による請求や郵送によることはできません。

 

〇必要書類

・請求者の戸籍謄本又は戸籍抄本(なるべく新しいもの)1通

・請求者のパスポート又は運転免許証等の身分証明書

・請求者の認印

 

〇必要情報

・結婚相手の氏名・性別・生年月日・国籍

 

■「婚姻要件具備証明書」はそのままでは外国で使用できません

日本の法務局で発行された「婚姻要件具備証明書」は残念ながらそのままでは外国で使用することができません。外国は、その書面が本物であるかを確認する手段がないからです。そこで、これを外国で使用できるようにするために、アポスティーユや公印確認、領事認証などを取得します。

 

〇関連リンク

 

外務省「証明」~アポスティーユ・公印確認

 

■婚姻要件具備証明書は、法務局で取得しなくても “ 現地調達 ” が可能です

日本の法務局で取得した「婚姻要件具備証明書」は、そのままでは外国で使用することができないだけでなく、その翻訳も日本国内で準備することができない場合が多くあります。例えば中国や欧州の一部の国では、その国の結婚機関が指定する現地の翻訳会社の翻訳しか認めません。

そこで、国際結婚を海外先行で行なう多くの日本人は、「婚姻要件具備証明書」に相当する書面を、日本の在外公館で取得します。そうすると多くの場合、英語や現地語で発行してくれますので、日本外務省でのアポスティーユや公印確認、領事認証などが不要ですし、さらには翻訳文で苦労する必要もありません。

 

〇関連リンク ※一例として

 

在上海日本国総領事館ホームページ~証明事務

在インドネシア日本国大使館ホームページ~婚姻

 

 

■国際結婚手続のアドバイスは東京のアルファサポート行政書士事務所へ

みんビザがお勧めする東京・六本木のアルファサポート行政書士事務所は、国際結婚手続についてのアドバイスを有料で行なっています。

また両国での結婚成立後に配偶者ビザを申請する必要があるかたは、重箱の隅をつつかれても耐えられる書面を作成していく必要がありますから、みんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。

アメリカや欧州の方には移民法弁護士(immigration lawyer)といって、ビザの取得を弁護士に依頼することはごく当たり前の行為として定着しているのですが、アジア諸国などではまだ自力で徒手空拳でビザ申請をやりがちですから、日本人の方がきちんとフォローしてあげましょう。日本ではビザ申請は弁護士ではなく行政書士の仕事となっています。>>こちら

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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