ネパール人による配偶者ビザ(結婚ビザ)申請方法Ⅴ~短期の在留資格からビザ変更する~

更新:2021年2月14日

行政書士 佐久間毅

ネパール人による配偶者ビザ・結婚ビザ申請
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かんたん解説

ネパール人配偶者がもっている短期の在留資格を、結婚を契機に配偶者ビザへビザ変更する方法です。
・短期ビザから配偶者ビザへの変更は、入管法という法律の明文で、原則として禁止されてる方法です。
・短期ビザから配偶者ビザへの変更は、「やむを得ない特別の事情」が立証されない限り不許可にすると法律に書かれています。

配偶者ビザをこの申請方法で取得するメリット・デメリット

・この配偶者ビザ取得方法のメリットは、ステップ3まである海外から呼び寄せるときと比較すると、ステップ1のみなのでそこに注力できることです。
・この配偶者ビザ取得方法のデメリットは、ネパール人のお相手が日本で職を確保していることが少なく、中長期の在留資格からの変更と比較して、収入の継続性・安定性・額の立証について日本人の負担が大きくなることです。
・この配偶者ビザ取得方法のデメリットは、海外から呼び寄せるときと比較して許可条件が増える(「やむを得ない特別の事情」の立証と「素行の善良性」の立証)ため、慎重に準備をすすめる必要があるところです。

くわしく解説

STEP1:ネパール人が日本の出入国在留管理局に、在留資格変更許可申請をする

ネパール人による配偶者ビザ・結婚ビザ申請
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0.概要

日本に居住するネパール人が、じぶんのために、在留資格変更許可申請をします。

在留資格変更許可申請とは、在留資格を「日本人の配偶者等」に切り換えてくださいと出入国在留管理局へお願いする申請です。

・海外から呼び寄せるときと異なり、ネパール人ご自身が日本にいらっしゃいますので、日本人の配偶者が申請代理人になることなく自分で申請します。

 

1.入国管理局へ申請するときの注意点

・短期ビザで日本に入国し、そのまま配偶者ビザへの切り替えをはかることを、国は「在留資格認定証明書制度の潜脱行為」と認識しており、このため入管法は、明文でこれを原則禁止としています。例外として法律が許可する可能性があるのは、この申請ルートをとることに「やむを得ない特別の事情」があることの立証がなされたときです。

・入管法が「原則として許可しない」方法として条文ではっきり書いていますので、ノウハウのない方が自己流に申請をしても通常は原則どおり不許可になります。東京のアルファサポート行政書士事務所のようなビザ専門の行政書士に相談しましょう。

・ネパール人のお相手が中長期滞在者であるときと比較して、ネパール人のお相手が正社員の職を確保していることはまれです。そのぶん、日本人の収入の継続性・安定性・額の立証が大事になります。

 

2.申請先

日本の各都道府県にある出入国在留管理局の本局や支局、出張所のいずれかに申請します。

 

3.申請人

申請人はネパール人ご本人です。無事に許可されると、配偶者ビザの新しい在留カードが発行されます。

 

不許可になった場合は、不許可理由を解消してから再申請ができますが、不許可は担当者レベルではなく法務大臣の名前による決定ですので、これを覆すことは非常に大変です。初回から手を抜かずに申請しましょう。

 

4.許可条件

・収入の継続性・安定性・額が立証されること

・婚姻の真実性が立証されること

・やむを得ない特別の事情が立証されること

・素行の善良性が立証されること

 

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5.必要書類

・在留資格変更許可申請書

・戸籍謄本

・ネパールの結婚証明書 ※ネパール政府が発行し、ネパール外務省による認証済みのもの

・住民票の写し

・課税証明書

・納税証明書

・質問書

・身元保証書

・その他指示されたもの

・弱点補強書面

 

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6.ビザ変更が許可されたら

もう一度、出入国在留管理局へ出向いて新しい在留カードを受領します。許可時に4000円の収入印紙を購入し、手数料として入管に支払います。

 

7.ビザ変更が不許可になったら

不許可理由を解消した上で再申請をすることができます。 ただし不許可の決定は法務大臣によってなされますので、大臣の決定を覆すことは大変です。再申請のチャンスはありますが、初めから手を抜かないようにしましょう。

 

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・ ネパール人による配偶者ビザ申請①:ネパールから呼び寄せるケース

・ ネパール人による配偶者ビザ申請②:夫婦ともにネパールなど海外在住であるケース

・ ネパール人による配偶者ビザ申請③:ネパール人が日本で自ら申請し、出国して結果を待つケース

・ ネパール人による配偶者ビザ申請④:中長期の在留資格から変更するケース

・ ネパール人による配偶者ビザ申請⑤:短期の在留資格から変更するケース

・ ネパール人による配偶者ビザ申請⑥:前婚の日本人と離婚して、別の日本人と結婚するケース

・ ネパール人との結婚手続き

 

この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザ