アイルランド人との結婚手続き【徹底解説】

更新:2021年1月19日

行政書士 佐久間毅

アイルランド人との結婚手続きについて解説する行政書士

 

この記事では、アイルランド人と日本人との結婚手続きについて、

日本で先に結婚する方法と、アイルランドで先に結婚手続きを行なう方法にわけて、

東京のアルファサポート行政書士事務所がくわしく解説します!

 

なおアイルランド人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、

交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。

 

問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう。

 

配偶者ビザの条件の中には、国際結婚の完了後にはどうにもできない問題がいくつかあります(例えば交際期間など。)。

まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずですので、関連記事「配偶者ビザの条件」などをよくご確認ください。

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

配偶者ビザと年齢差

配偶者ビザと収入

配偶者ビザの条件 

配偶者ビザ

 

■ひとこと解説

>> 日本先行でアイルランド人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。

>> アイルランド先行でアイルランド人と結婚する場合は、市民登録サービスで「結婚の通知」をします。

>> アイルランド先行で結婚をした場合にかぎり両方の国に結婚を登録することができます。

■くわしく解説

■1 アイルランドと日本、どちらの国で先に結婚しても大変さは同じなの?

いいえ、同じではありません。アイルランド先行の結婚手続きはアイルランド法にもとづいて、日本先行の場合は日本法にもとづいて結婚するからです。

したがって、カップルが置かれている様々な状況によって、どちらを選択すべきかが違ってきます。

以下を参考に決定しましょう。

 

■2 アイルランド人と【日本で先に】結婚をすることのメリット・デメリット

日本先行で、アイルランド人との結婚手続き

 

アイルランド人と日本で先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。

 

<メリット>

・結婚手続きがアイルランド先行の場合よりもシンプルで簡単である

 

<デメリット>

・日本で成立した結婚はアイルランド国内でも有効な結婚として認められることの裏返しとして、アイルランド政府から結婚証明書を取得できない

 

【解説】

 

日本先行でアイルランド人と結婚する方法は、アイルランドで結婚するよりもシンプルなので、多くの方がこの方法で結婚されています。

しかしながら、今後アイルランドで暮らしていくという場合には、アイルランド政府発行の結婚証明書を取得することができるアイルランド先行で結婚することにもメリットがあります。

 

結論としては、今後、日本で結婚生活をおくることを計画し、当面はアイルランドで生活する予定がない場合は、日本先行でよいでしょう。

 

アイルランド政府発行の結婚証明書を取得することができないと不安に思う方も多いでしょうが、実は、そちらのほうが国際的にはスタンダードと言えます。

アメリカ、中国、ロシア、イギリスといった大国はいずれもアイルランドと同様です。したがって日本の結婚を先行させた場合にお相手の政府から結婚証明書を取得することができないことは珍しいことではありません。

逆に、日本先行で結婚をしてもお相手の国からきちんと結婚証明書を取得することができる国としては、ヨーロッパの大陸法系の国や、韓国、台湾、フィリピンなどがあります。

 

■3 アイルランド人と【アイルランドで先に】結婚することのメリット・デメリット

アイルランド先行で、アイルランド人との結婚手続き

 

アイルランド人とアイルランドで先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。

 

<メリット>

・アイルランド政府から「結婚証明書」を取得することができる

 

<デメリット>

・結婚式を挙げないと法的な結婚が成立しないなど、日本先行で行なうよりも複雑で時間がかかる

 

【解説】

 

まず、日本先行で結婚手続きを行なうと、将来、アイルランド政府発行の「結婚証明書」を取得することができなくなります。

なぜならアイルランドという国は、外国で成立した結婚を特別な手続きをすることなくそのまま自国の結婚として認める国なので、日本で成立した結婚をアイルランド政府に登録する手段がそもそも用意されていないからです。

 

したがって、今後日本ではなくアイルランドで結婚生活を送るという場合には、アイルランド政府から結婚証明書が発行されるアイルランド先行の方がなにかと便利といえます。

 

いっぽう、アイルランド先行の結婚手続きはアイルランドの法制度にのっとって行われるため、比較法的にみても結婚手続きがシンプルな日本よりも複雑で時間もかかります。

 

「婚姻届」という書類を市区町村役場に提出すれば成立する日本の結婚手続きに比較して、アイルランドの場合は結婚当事者が教会(宗教婚)や役所(民事婚)で結婚式を挙げないと結婚が成立しません。

 

結論としては、今後、アイルランドでながく結婚生活を送る予定のあるかたは、アイルランド先行で結婚されると良いでしょう。

 

▼記事は下につづきます▼

 

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■4 アイルランド人と【日本先行】で結婚をする手続き

日本先行で、アイルランド人との結婚手続き

 

日本人とアイルランド人が日本先行で結婚をする場合の手続きは、わずか2ステップで完了しますが、Certificate of freedom to Marryの申請が結婚の少なくとも4カ月前であることに注意しましょう。

日本で結婚生活を送る場合はStep3に進みましょう。

 

Step1:アイルランド人が、婚姻要件具備証明書(Certificate of freedom to Marry)を取得

 

・アイルランド人がアイルランドの法に則って結婚できる状況にあることをアイルランド政府が証明する書類です。

・アイルランド外務省(DFA)のホームページ上から申請し、所定のフォーマットを印刷し署名などした上で、海外在住者は現地の大使館(東京都千代田区麹町にある在日アイルランド大使館)に郵送します。

・アイルランド本国にある外務省本省にオンラインで申し込んでから、書類は外務省の海外出先機関である大使館に送付するイメージです。

 

1.1 アイルランド外務省のホームページ上で申請を申し込む

 

・アイルランド外務省のホームページからCertificate of freedom to Marryを申し込みます。

・オンライン上で質問書、法定宣言書、チェックリストなどを入手し、チェックリストで指示されている必要書類を準備します。

・結婚日の少なくとも4カ月前に申請書を提出する必要があります。

 

【必要書類(一部)】

・出生証明書(原本)

・アイルランド人のパスポート写し

・その他指示されたもの

 

【費用】

申請プロセスの過程でオンライン上(クレジットカードまたはデビットカード)で行ないます。

・60ユーロ 

 

〇参照:アイルランド外務省ホームページ

 

 

Step2:日本の市区町村役場へ婚姻届を提出

 

日本の市区町村役場へ結婚届を提出し、結婚を成立させます。

 

【必要書類】

・婚姻届

・アイルランド人の婚姻要件具備証明書(Certificate of freedom to Marry)

・アイルランド人の出生証明書

・アイルランド人のパスポート

・外国語の文書の日本語訳

・日本人の本人確認書類

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚をする場合

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。

 

 ・国際結婚 婚姻届

 

 

Step3:日本の配偶者ビザを申請する

 

日本での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。

イギリス人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

配偶者ビザと年齢差

配偶者ビザと収入

配偶者ビザの条件 

配偶者ビザ

 

 

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■5 アイルランド人と【アイルランド先行】で結婚する手続き

アイルランド先行で、アイルランド人との結婚手続き

 

Step1:日本人が「婚姻要件具備証明書」を取得する

 

 

在アイルランド日本大使館または日本の法務局で、日本人が日本法に照らして結婚することができる状況にあることの証明書を取得します。

申請から交付までの所要日数は3日程度で、郵送で申請して手渡しで受領も可能です。申請は郵送が可能ですが、受領は郵送不可です。

 

【在アイルランド大使館で婚姻要件具備証明書を取得する際の必要書類】

・日本人のパスポート

・日本人の戸籍謄本 ※3カ月以内に発行されたできるだけ新しいもの

・アイルランド人の氏名等を確認できる書類 

・その他指示されたもの ※離婚歴のあるときなど

 

ダウンロード
婚姻要件具備証明書申請書_在アイルランド日本大使館
予告なく変更されますので、ご参考として提供しています。かならず最新版を入手してそちらをご使用ください。
証明書発給申請書_在アイルランド大使館.pdf
PDFファイル 65.8 KB

 

Step3:カップルが市民登録サービスで、結婚の予告通知(give notice)をする

 

・アイルランドでは、結婚式の前に3カ月の公示期間が設けられています。結婚の公示とは、「私たちはこれから結婚しようと考えていますが、これに異議を申し述べたい人がいたら申し出てください」ということを世間に対して公表する手続きです。したがって、結婚予定日の少なくとも3カ月以上前に通知を完了させる必要があります。

 

・アイルランド政府は、外国で成立したアイルランド人の結婚を把握していないなど、アイルランド人の結婚状況を厳格に管理してはいません。このため、世間一般に結婚について異議がないか(隠れた配偶者がいないかなど)確認する手続きが必要となります。

  

・市民登録サービスにでかけるには予約が必要です。オンライン上でもできますし、電話ですることもできます。

 

【当日行なわれること】

・登録官は、結婚当事者の双方に会う必要があります。

・婚姻を妨げるいかなる法的な理由もないことを宣誓書に署名します。

・登録官は必要書類などの信ぴょう性を審査して、結婚を許可できないと判断する権限をもっています。

・すべてが上手く行くと、登録官は結婚登録書(MRF:marriage registration form)を発行します。MRFは結婚式で必要になる書類です。

 

【必要書類】

・パスポートの原本とカラーコピー

・イギリス人の出生証明書

・住所証明書

・個人公共サービス(PPS)番号

・日本人の婚姻要件具備証明書

・日本人の出生証明書

・その他指示されたもの(結婚式で証人になる方の氏名・生年月日の情報など)

 

【費用】

・200ユーロ 返金不可

 

 

ダウンロード
【参考】結婚通知申請書
予告なく変更されますので、かならず最新版を入手してそちらをご使用ください。ご参考として提供しています。
Marriage notification appointment bookin
PDFファイル 29.7 KB

Step4:結婚式をあげる

 

アイルランドの民事婚は公務員が行なうこともあり、月曜日から金曜日までの平日にのみ行なうことができ、週末に行なうことはできません。またルール上屋内で行なうこととされ、屋外で行なうことはできません。 

 

結婚が完了したら、結婚証明書(MARRIAGE CERTIFICATE)を入手してください。日本への報告に使います。

オンラインや郵送などの方法で取得できます。

 

※結婚証明書の取得はこちら

 

ダウンロード
【参考】結婚証明書申請書(メール用)
予告なく変更されますので、かならず最新版を入手してそちらをご使用ください。ご参考として提供しています。
Application for certificate of Marriage
PDFファイル 193.0 KB

 

Step5:日本に結婚を報告する

 

今後、日本で生活をする場合には、日本に帰国してから、アイルランド人で結婚が成立したことを報告するために市区町村役場に結婚届を提出します。または在アイルランド日本国大使館でも可能ですが、この場合は日本の戸籍に結婚の事実が反映されるまでに時間がかかります。

 

【必要書類】

・婚姻届

・結婚証明書とその日本語訳

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合

・日本人の本人確認書類

・アイルランド人の出生証明書

・アイルランド人のパスポート

・その他指示されたもの

 

〇よく一緒に読まれている記事

 

国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。

 

 ・国際結婚 婚姻届

 

Step6:日本の配偶者ビザを申請する

 

両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。

アイルランド人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。

 

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配偶者ビザと収入

配偶者ビザの条件 

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■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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