すべての人に共通の配偶者ビザのリスク

~年齢差が大きい~

更新日時:2020年6月21日

行政書士 佐久間毅 

配偶者ビザ,年齢差,

■かんたん解説

>> 年齢差があるときは他の悪材料(短い交際期間 , 収入の安定性と継続性に欠けるなど)と合わせ技一本で不許可となることが多いので、他のリスク要因を含めて全体としてフォローする必要があり、一般的な申請と比較して「申請理由書」や補助書面のはたす役割が大きくなります。

>> 年齢差にかんする国の統計値から自らの申請の「レア度」を直視し、年齢差が大きければ大きいほど慎重に書類をつくりこまなければ不許可となります。
>> 年齢差は努力により小さくできないので、他の悪材料(リスク要因)の影響を限りなく排除することで許可に近づきます。

■詳しく解説

■年齢差と相性のわるい他の悪材料(リスク要因)とは?

年齢差がある国際結婚と、配偶者ビザ申請において最も相性が悪い他のリスク要因は、「交際期間が短いこと」です。年齢差のある国際結婚は偽装婚を疑われがちなのですが、ここにさらに他の要因が重なると申請書の中身がよほど説得的でないと不許可になります。

偽装婚でないことの証明責任は申請人にありますので、2つ以上の悪材料がある場合は、入管当局としても不許可にしやすいからです。

 

通常、年齢差がある場合には、結婚するにあたって様々な葛藤をかかえることが多いわけです。年齢差が親子ほどの年齢差に近づいていくにつれ、同世代同士の夫婦が当たり前のように抱く「人生プラン」が設計しづらくなっていきます。

 

若年世代の結婚の場合、国も調査においても、結婚の次の目標が「子育て」になることが多いのですが、年齢差がある場合は、次の目標をそこに設定することができないケースも多々あります。

ジェネレーションギャップは言うまでもなく、本来は様々な葛藤を生み出すはずの「年の差婚」なので、十分な交際期間と熟慮期間を経てご結婚されるかたが実際には多いです。

 

■年齢差があって、さらに交際期間も短いとどうなる?

ところがまれに、大きな年齢差があるにもかかわらず、他の多くの同世代カップルよりもむしろ短い交際期間でスピード婚をされるかたがいらっしゃいます。

国の統計では、交際開始から結婚に至るまでの平均交際期間は4.26年です(「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」国立社会保障・人口問題研究所)。

恋愛結婚に限定すると、平均交際期間は4.55年、つまり平均4年半以上の交際を経て結婚されています。

 

したがって、年齢差が大きく、かつ、交際期間も短い場合には、日本全体でみた場合にほとんど発生しないケースということになります。こうなるとどこまで真剣に考え、準備したうえでのご結婚なのでしょうか?という入管の疑問に回答する必要が出てくるので、配偶者ビザの難度がとても上がります。

 

■年齢差があって、さらに収入面でも不安を抱えているとどうなる?

また、年収が少ない、非正規雇用であるなど経済面での悪材料がある場合は、配偶者ビザの2大ポイントの両方(婚姻の真実性と収入の安定性と継続性)に疑義が生じることになりますので、入管は非常に不許可の判断をしやすくなります。

 

かんたん解説の「合わせ技一本」とはこのような意味です。年齢差はどう頑張っても縮めることはできませんので、他のリスク要因の影響をいかに排除して、合わせ技一本に持ち込ませなくするのかが生死(許可・不許可)の分かれ目になります。いくつかのマイナス要因をかかえているかたは、かならずプロに相談しましょう。

 

■夫婦の年齢差にかんする国の調査はどうなっているの?

厚生労働省の調査によると、婚姻届を提出したカップルの年齢差はつぎのようになっています(厚生労働省「人口動態調査」)。

この統計で、ご自身の結婚が日本全体でみたときに、どのていどレアなものなのかを把握しましょう。

 

【夫が妻より年上】

・年齢差が10歳~20歳未満 全体の 3.8%          (百組に3.8件)

・年齢差が20歳~30歳未満 全体の 0.28%   (千組に2.8件)

・年齢差が30歳~40歳未満 全体の 0.034%   (1万組に3.4件)

 

【妻が夫より年上】

・年齢差が10歳~20歳未満 全体の 0.47%   (千組に4.7件)

・年齢差が20歳~30歳未満 全体の 0.022%   (1万組に2.2件)

・年齢差が30歳~40歳未満 全体の 0.0040%  (10万組に4.0件)

 

■相性のよい他の要因

年齢差のある国際結婚で、そのマイナスを埋めてくれる可能性の高い最も相性のよい他の要因は、「長期の交際期間」です。もちろん、ただ長いだけでなく、質も問われます。

 

どんなに年の差があろうが、相手を十分に見極め、熟慮したうえでの結婚であれば、入管などの第三者にとやかく言われる筋合いのものではなく、きちんとした交際を立証することができれば、年齢差があっても、配偶者ビザが許可される可能性は十分にあります。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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