配偶者ビザの「身元保証書」の書き方・見本・サンプル記入例と【ダウンロード】

更新日時:2020年9月22日

行政書士 佐久間毅

配偶者ビザ_身元保証書_記入例
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■かんたん解説

>>  身元保証人になれるのは、入管法施行規則で、①日本に住む②日本人配偶者と決まっている。

>>  日本人配偶者が身元保証人にならないことはありえないが、追加で誰かを身元保証人としてたてることはありうる。

>>  日本人配偶者以外の身元保証人を立てるのは、日本人配偶者の経済力がないことを認めることを意味するので、もろ刃の剣

■配偶者ビザの身元保証書・身元保証人にかんする事例

配偶者ビザ・身元保証書

 

【申請人プロフィール】

 

Sさん(日本人女性)

Jさん(外国人男性)

20代女性

結婚1年未満

子供なし

アルバイト

 

Sさんは留学先のアメリカで、同じ大学でまなぶ同じく留学生だったJさんと出会いました。

Sさんが一足先に日本へ帰国することとなり、残り少ない2人の生活を楽しむうちに結婚の話がどちらからともなく出て、ふたりは帰国前にアメリカでめでたく結婚しました。

 

Sさんはいいます。私たちはお互いにとって外国であるアメリカで生活していたので、いずれはそれぞれの母国にもどる必要がありました。

私は日本に戻り、Jを日本に呼び寄せるため、何か職を確保しようと、空港の免税店アルバイトをはじめました。

実家が千葉にあり、英語も使える職場で、アルバイトでしたがそこそこ気に入ったからです。

 

たださすがにアルバイトでは配偶者ビザ申請身元保証人として不安だったので、わたしのに身元保証人をお願いしました。

父は地方公務員なので身元保証人として不足はないだろうと考えていたのですが、配偶者ビザの申請から3カ月ほどで入管からの不許可通知を受け取りました。

 

十分な交際歴もあるし、アメリカでは同棲もしていたし、仕事もはじめたし、地方公務員の父が身元保証人になってくれたことで、

まさか自分が不許可になるとは夢にも思っておらず、不許可の決定を受け取った当初は全く受け入れることができなかったというSさん。

しかし時間が経つうちに、ギリギリで生活できるかできないかという額の収入なので、さすがに無理だったと思うようになったといいます。

 

不許可の理由を入管に聞きにいくと、Sさんの収入がアルバイトで不安定であることと、就職してから日が浅く収入の継続性の疎明が足りないと指摘されたそうです。

入管の職員さんからは、ご両親の勤務先が安定していても審査にはほとんど関係がなく、あくまでご夫婦の経済状況をみさせていただいていると告げられたそうです。

 

Sは続けます。よくよく考えてみれば、父が公務員だから許されるはずというのは、相当な甘えだったとおもいます。

正直、Jを早く日本によびよせたくて焦っていたのですが、今後の生活を考えればしっかりとした職に就くことはビザにかかわらず重要ですよね。

 

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 ・配偶者ビザと収入の安定性・継続性・額

 

 

■くわしく解説

配偶者ビザの身元保証人は誰でもなることができるわけではなく、入管法施行規則において、日本に住む、日本人配偶者がなるものと決められています。

 

したがって何よりも、日本人配偶者の収入が真正面から問われていることになります。

身元保証書の文面からお分かりのように、身元保証人が外国人の日本における生活費等の滞在費を保証することになるからです。

 

身元保証人の収入は、その額だけでなく、収入の継続性と安定性が審査されます。収入の継続性については、配偶者ビザ申請の提出書類である「質問書」の就職年月日の記載や正社員・派遣社員の別などから判定されます。

 

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 ・配偶者ビザと収入

 

入管は、1つだけのマイナス要因はそれを適切にカバーし、かつ、他には何らの不許可要因がないことを徹底的に立証することで大目に見てくれることもゼロではありませんが、2つ以上のマイナス要因を同時にかかえていると、問答無用で不許可にすることが多いので注意しましょう。入管の立場になると、マイナス要因をいくつも抱えている人は、不許可の判断を下しやすいということになります。

 

そのためには、配偶者ビザの要件をきちんと把握することが出発点となります。

 

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 ・配偶者ビザの条件

  

したがって、配偶者ビザのマイナス要因を自覚している人は、重箱の隅をつつかれても耐えられる書面を作成していく必要がありますから、みんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。

 

アメリカや欧州の方には移民法弁護士(immigration lawyer)といって、ビザの取得を弁護士に依頼することはごく当たり前の行為として定着しているのですが、アジア諸国などではまだ自力で徒手空拳でビザ申請をやりがちですから、日本人の方がきちんとフォローしてあげましょう。日本ではビザ申請は弁護士ではなく行政書士の仕事となっています。>>こちら

  

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Ⅰ 配偶者ビザ申請の必要書類「身元保証書」の書き方・見本

Ⅰ-1 配偶者ビザ申請の必要書類「身元保証書」の記入例サンプル

配偶者ビザ_身元保証書_記入例
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Ⅰ-2 配偶者ビザ申請の必要書類「身元保証書」の書き方

〇作成年月日

元号で記載しても良いですが、書き方見本のように、西暦で記入しても構いません。

 

〇国籍

身元保証書の文面に、「上記の者の本邦在留に関し、下記の事項について保証いたします。」とありますので、最初の「国籍」欄は、

外国人の国籍を記載します。

見本のように、アメリカ合衆国を「アメリカ」、中華人民共和国を「中国」のように、省略した表記で構いません。

 

〇氏名

身元保証書の文面に、「上記の者の本邦在留に関し、下記の事項について保証いたします。」とありますので、最初の「氏名」欄は、

外国人の国籍を記載します。

見本のように、パスポート上の本名を英字アルファベットで記載します。在留資格変更許可申請のかたは、お相手の在留カードの氏名の表記を参考にしましょう。

 

〇身元保証人の氏名・押印

身元保証人の氏名を、戸籍謄本と同じ表記で記載します。押印は市区町村役場に登録した実印である必要はなく、既製品の「認印」でも構いませんが、もしお持ちなのであれば、あつらえた印鑑を押しましょう。

100円ショップで買えるような印鑑は誰でも気軽に購入できます。印鑑について印鑑証明書を添付するわけではないので、多少お金をかけた印鑑を押印することにより、たしかに身元保証人が押印しているのだろうなとの心証をもってもらうことができます。

 

〇身元保証人の住所

配偶者ビザ申請の必要書類の1つである日本人配偶者の「住民票写し」に記載された住所を記載します。

 

〇身元保証人の電話番号

書き方見本のように、固定電話番号でなく携帯電話番号で構いません。

 

〇身元保証人の職業

書き方見本のように、「会社員(株式会社〇〇)」、「個人事業主(屋号:〇〇)」などの要領で記載しましょう。

 

〇身元保証人の国籍

書き方見本のように、日本人の配偶者ビザの申請ですので「日本」とします。

 

〇被保証人との関係

被保証人とは、「保証される人」の意味で、保証されるのは外国人配偶者です。その人とあなた(身元保証人)との関係を記載します。

書き方見本では、日本人が男性ですので「夫」とします。日本人が女性であれば「妻」とします。

 

Ⅱ 配偶者ビザ申請の必要書類「身元保証書」はだれが作成するの? 身元保証人には誰がなれるの?

Ⅱ-1 大原則は「日本人配偶者」

配偶者ビザ申請で提出する「身元保証書」を作成する身元保証人は、①日本に居住する、②日本人配偶者である必要があります。

 

出入国在留管理局のホームページの、「配偶者ビザの必要書類」を記載したページには、次の記述があります。

求められているのは、①日本に居住していること、②配偶者(日本人)であること、です。

 

 配偶者(日本人)の身元保証書 1通

 ※身元保証人には,日本に居住する配偶者(日本人)になっていただきます。

 

出入国在留管理局のホームページの該当箇所には根拠が示されていませんが、実はこれには法令上の根拠があります。

 

〇出入国管理及び難民認定法施行規則(別表第3)

日本人の配偶者等

法別表第二の日本人の配偶者等の項の下欄に掲げる身分を有する者

としての活動

一 日本人の配偶者である場合

イ 当該日本人との婚姻を証する文書及び住民票の写し

ロ 当該外国人又はその配偶者の職業及び収入に関する証明書

ハ 本邦に居住する当該日本人の身元保証書

 

二 日本人の特別養子又は子である場合

イ 当該日本人の戸籍謄本及び当該外国人の出生証明書その他の親子関係を証する文書

ロ 当該外国人又は父若しくは母の職業及び収入に関する証明書

ハ 本邦に居住する当該日本人又はその他本邦に居住する身元保証人の身元保証書

 

上図の赤字のとおり、身元保証書の提出が求められているのは入管法施行規則上、「ハ 本邦に居住する当該日本人の身元保証書」とされていますので、これを提出しないという選択はありません。※「本邦」とは日本を意味し、ここにいう「当該」とは日本の配偶者を意味します。

 

また、日本に居住していない日本人は、この要件を満たしません。数多くの配偶者ビザ申請をお手伝いしていると、中には「海外在住」の日本人配偶者の身元保証書を提出するケースに遭遇することもあるにはありますが、申請の難度が高くなることはお分かりいただけるかと思います。

 

Ⅱ-2 身元保証人を「追加」するか否かの選択

Ⅱ-2-1 諸刃の剣の身元保証人追加

前項でご説明したように、入管法施行規則で日本人配偶者の身元保証書が求められている以上、これを準備しないことはあり得ないのですが、別の身元保証人を追加で用意することはまれにあります。

 

しかしながら、追加で身元保証人を立てるということは、「ご夫婦だけでは生活が成り立たない」ことを申請人自らが自認しているのと同じなので、諸刃の剣となります。まずはご夫婦の収入のみで生活できる状況(独立した世帯をもてる状況)を構築する努力をしてみましょう。

 

もし行政書士など専門家のアドバイスをもとに追加の身元保証人をたてる選択をされたときは、いつその状況が解消されご夫婦だけの収入で生活ができるようになるのかの見通しを疎明します。

そして、それまでのあいだは、追加の身元保証人がご夫婦の生活を支える意思をもっており、またそれが経済的に可能であることを証明します。

 

多くの日本人配偶者は、ご自身の現在の収入に不安があるときは、平日のメインの仕事のほかに土日にアルバイトなど別の仕事をして収入を上げ、お相手に在留資格「日本人配偶者等」が許可されて就労ができるようになってから土日の仕事を止めるなど、皆さま懸命な努力をされています。

 

Ⅱ-2-2 身元保証人を追加するときは、住民票の「世帯主」を確認

身元保証人として、日本人配偶者以外のかたを立てるときには、別に提出する「住民票」の記載との整合性も重要となります。

住民票には「世帯主」が記載されますが、「世帯」とは、「住居及び生計を共にする者の集まり」又は「独立して住居を維持し、若しくは独立して生計を営む単身者を言い、この中心人物として世帯側から報告された人物が「世帯主」です。

 

したがって、日本人配偶者の収入が少ないことが原因で身元保証人としてご両親をたてる場合には、住民票上の世帯主との整合性が重要になってきます。国際結婚をされたご夫婦を、独立した世帯にしてしまってよいのかという問題です。

 

Ⅲ 身元保証人は「身元保証書」で何を保証するの?

身元保証人が「身元保証書」において、被保証人である外国人について保証するのは、次の3つです。

 

 1.滞在費

 2.帰国旅費

 3.法令の遵守

 

1.の滞在費とは、外国人の日本における生活費のことです。2.の帰国旅費は、文字通りの意味で、例えば退去強制事由に該当する行為を行った時などに帰国する際の、飛行機代等を意味します。3.の法令の遵守とは、外国人に日本の法令を守らせるという意味です。

 

Ⅳ 「身元保証書」の「保証」はなにを意味するの?

Ⅳ-1 法的な義務はなく、道義的責任にとどまります

配偶者ビザで提出する「身元保証書」における保証の意味は、民法上の保証のような法的な意味をもたず、道義的な意味しかないとされています。

法的な意味をもたないとは、例えば身元保証人が外国人の「滞在費」を負担しないで知らん顔しているような場合でも、法律により支払いを「強制」できないという意味です。

 

民法上の保証のような「法的な保証」であれば、被保証人が支払いをしなかったときには、保証人に請求され、保証人が支払わないと、保証人の財産が差し押さえられて強制執行に至るわけですが、配偶者ビザの身元保証人はそのような法的義務を負いません。

 

このことを出入国在留管理局のホームページは次のように説明しています。

 

身元保証した際の責任はどうなっているのでしょうか。

身元保証書の性格について,法務大臣に約束する保証事項について身元保証人に対する法的な強制力はなく,保証事項を履行しない場合でも当局からの約束の履行を指導するにとどまりますが,その場合,身元保証人として十分な責任が果たされないとして,それ以降の入国・在留申請において身元保証人としての適格性を欠くとされるなど社会的信用を失うことから,いわば道義的責任を課すものであるといえます。

 

気を付けるべきことは、身元保証人としての十分な責任を果たさないと、「それ以降の入国・在留申請において身元保証人としての適格性を欠く」とされていることです。

在留資格申請は今回1回限りではなく、通常は1年後に更新申請をしなければなりませんし、数年後には永住許可申請に進む方がほとんどです。過去に身元保証人としての義務を果たさなかった方は、これら更新や永住の申請時には身元保証人になることができなくなります。

 

Ⅴ 「身元保証書」(配偶者ビザ申請用)ダウンロード

ダウンロード
身元保証書_在留資格「日本人の配偶者等」
令和2年4月現在のフォーマットです。最新版を確認してからご使用ください。
身元保証書_日本人の配偶者等.pdf
PDFファイル 33.2 KB

Ⅵ まとめ

入管は、1つだけのマイナス要因は説明を尽くすことにより大目に見てくれることもないわけではありませんが、2つ以上のマイナス要因を同時にかかえていると、問答無用で不許可にすることが多いので注意しましょう。入管の立場になると、マイナス要因をいくつも抱えている人は、不許可の判断を下しやすいということになります。

 

したがって、配偶者ビザのマイナス要因を自覚している人は、重箱の隅をつつかれても耐えられる書面を作成していく必要がありますから、みんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。

 

アメリカや欧州の方には移民法弁護士(immigration lawyer)といって、ビザの取得を弁護士に依頼することはごく当たり前の行為として定着しているのですが、アジア諸国などではまだ自力で徒手空拳でビザ申請をやりがちですから、日本人の方がきちんとフォローしてあげましょう。日本ではビザ申請は弁護士ではなく行政書士の仕事となっています。>>こちら

 

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■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。



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