配偶者ビザ申請の必要書類「納税証明書」の取得のしかた、取得できないケース

更新日時:2020年6月21日

行政書士 佐久間毅

納税証明書_配偶者ビザ

■かんたん解説

>>  住民税の納税証明書は、あなたの「遵法」精神と「経済状況」を確認する書面です。

>>  住民税の納税証明書は、市区町村役場で取得できます。

>>  給与所得者は、前年(令和元年)の所得に基づいて計算された住民税が、その年(令和2年)の6月から翌年(令和3年)の5月までの給与から特別徴収され納税されます。

>>  所得がなかったり、所得が少ないと課税されず、課税されないので納税しませんから、「納税証明書」は取得できません。

■くわしく解説

住民税の納税証明書とは、課税証明書に記載されているあなたが支払わなければならない住民税を、あなたが実際に支払ったか否かを証明してくれる書類です。

課税証明書だけでは、その税金をあなたが本当に支払ったのかまでは確認できないので、「納税証明書」が要求されています。

所得証明としては所得が記載されている「課税証明書」を提出すれば十分なはずで、実際、在外公館(日本大使館、日本領事館)に短期査証を申請する際には、「課税証明書」のみを提出します。

 

配偶ビザ申請において課税証明書に加えて「納税証明書」が要求される理由は、順法精神の確認と、所得の金額は大きくてもそれを上回る負債(借金)があるなど税金を滞納する経済状況でないかどうかを確認するためです。

 

納税の期限内に税金を納めていないということは「税法」違反という違法行為なので、これが外国人であれば日本の法律を守らない在留不良外国人となりますし、日本人である場合は、外国人の「法律の遵守」を保証する身元保証人としての適格性を欠くことになります。

 

Ⅰ 住民税の納税義務者

市区町村に住所をおいている人は、原則として住民税が課されます。住民税には「均等割」部分と「所得割」部分とで構成されています。

  住民税額=均等割額+所得割額

 

Ⅱ 住民税が非課税となる人

非課税証明書_配偶者ビザ

例外的に、住民税の所得割額・均等割額ともに非課税となる方は次のとおりです。

下記は東京23区内の場合です。条例で定めるので自治体ごとに計算式は異なります(地方に行くほど基準額が下がるため非課税になりやすくなる傾向にあります)。

 

生活保護法による生活扶助を受けている方

障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4千円未満)の方

前年中の合計所得金額が市区町村の条例で定める額以下の方

 ・同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合

   35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+21万円

 

課税されていない方は、納税していないので「納税証明書」は取得することができません。このため、「非課税証明書」を取得します。

 

なお、自治体によっては「非課税証明書」という名前の書面がなく、「課税証明書」の内容として非課税の旨が記載されていることもあります。この場合は、非課税の方も「課税証明書」を取得します。

 

Ⅲ 納税証明書の入手先

市区町村役場_配偶者ビザ

お住いの市区町村役場で取得できます。ただし転居された場合は、前住所地で取得しなければならない場合があります。

 

令和2年度の「納税証明書」は、令和2年1月1日に住民登録していた市区町村役場で、令和2年5月以降に発行されます

発行開始時期は自治体により少々ずれがありますが、東京都新宿区の場合は、次の通りです。

 

 〇住民税が全額お勤め先の給与から特別徴収されている方

        令和2年5月12日から令和2年度の納税証明書発行。

 〇上記以外の方(普通徴収、年金からの特別徴収、給与からの特別徴収と他の徴収方法を併用)

        令和2年6月10日から令和2年度の納税証明書発行。

 

令和2年は令和2年1月1日から12月31日まで、令和2年度は(通常)令和2年4月1日から令和3年3月31日までですが、

令和2年度の納税証明書は、令和元年の所得を基準として、令和2年6月から令和3年5月にかけて徴収される分を記載する書面で、

令和2年5月以降に発行が開始されるというわかりにくい構造になっています。

 

出入国在留管理局では、配偶者ビザ申請の必要書類として、直近年度の「納税証明書」を求めています。

東京都新宿区の場合、会社員で給与以外の所得がない方は、令和2年5月11日までは、直近年度は「令和元年度(平成31年度)」となります。

このように、次年度の納税証明書の交付が開始される直前に納税証明書を取得した場合は、配偶者ビザを申請する日にはもはや「直近年度」でなくなっている可能性がありますからご注意ください。

 

Ⅳ 納税証明書を取得することができない場合

Ⅳ-1 日本の企業から、現地子会社などに海外赴任していた方が、帰任したケース

 

配偶者ビザ申請にあたり納税証明書を提出することができない方のなかで、もっとも問題が少ないのがこのパターンです。

なぜなら、日本に帰国後も途切れることなく元の会社で仕事を始めるため、収入が途切れることがなく、入社してからの年数もリセットされないからです。筆者の経験上は、そのほとんどの方が正社員です。

多くの方は入社から3年以上が経過していると思いますので、適切な準備をすればあまりご心配いりません。

 

Ⅳ-2 外国で働いていたが、現地採用であったため、日本に帰国後は新たな会社に勤務する場合

 

配偶者ビザ申請は、無職ではまず許可されませんので、まずは帰国後の就職先をきちんとみつけて、「在職証明書」等の書面を提出することができる環境を整えます。

その上で、どのタイミングでお相手の配偶者ビザを申請するかは、みんビザがお勧めする経験豊富な行政書士と相談して決めましょう。

 

Ⅳ-3 これまで日本で暮らしていたが、収入がなかったり少なかったりで非課税である場合 

 

納税証明書を提出することができないかたのなかで最も深刻な状況にあります。なぜ納税証明書を提出することができないのかという事情について、出入国在留管理局に書面で別途の説明をして納得してもらう必要があります。

 

Ⅴ 「課税・非課税・納税証明交付申請書」の書き方

Ⅴ-1 「課税・非課税・納税証明交付申請書」のサンプル

「課税・非課税・納税証明交付申請書」のフォーマットは、自治体ごとに異なります。ここでは、東京都板橋区の「課税・非課税・納税証明交付申請書」をもちいてご説明します。

課税・非課税・納税証明交付申請書
課税・非課税・納税証明交付申請書

Ⅴ-2 「課税・非課税・納税証明交付申請書」の書き方:申請者

窓口に「課税・非課税・納税証明交付申請書」を提出するかたのことです。本人確認書面の提示が必要です。

申請者の現住所、氏名、電話番号を記載します。

 

Ⅴ-3 「課税・非課税・納税証明交付申請書」の書き方:だれの証明が必要か?

①証明が必要な方(通常は、日本人である配偶者)の1月1日の住所を記載します。

②証明が必要な方(通常は、日本人である配偶者)の現在の住所を記載します。

③証明が必要な方(通常は、日本人である配偶者)の電話番号を記載します。

③証明が必要な方(通常は、日本人である配偶者)の氏名・生年月日・申請者との関係を記載します。

 

Ⅴ-4 「課税・非課税・納税証明交付申請書」の書き方:必要年度・内容・枚数を記載します。

配偶者ビザ申請に必要なのは、直近年度の「納税証明書」1枚です。

令和2年度は4月1日から始まりますが、令和2年度の納税証明書が発行されるのは5月以降(自治体による。)です。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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