出会いのパターンと配偶者ビザのリスク【4】

~日本で留学生と出会った~

更新日時:2020年6月21日

行政書士 佐久間毅 

日本には、留学生が30万人以上いますので、日本人と出会って結婚に至ることは決してまれではありません。学校で出会うこともあるでしょうし、外国人のアルバイト先で出会うこともあるでしょう。

 

しかし留学生と出会って結婚をする場合は、配偶者ビザの申請において、特有の注意点がいくつかありますので押さえていきましょう!

■留学生と出会った場合の注意ポイント3つ

 

①資格外活動をしていることが多い(在留不良)

②外国人側の収入は期待できないことが多い

③駆け込み婚になりがち

 

■配偶者ビザ申請時の注意点①:資格外活動をしていることが多い

留学生は多くがアルバイトをしていますが、就労目的で滞在しているわけではないので、時間制限が設けられています。休暇以外は週28時間までというルールなのですが、これを超過すると、在留不良者として、留学ビザの更新が認められなかったり、配偶者ビザへの変更が不許可になったりします。

 

資格外活動というと、それほど深刻な言葉の響きはないかもしれませんが、資格外活動罪という立派な犯罪です。したがって、もし入管に把握されれば、容赦はされません。実際に、留学ビザが更新できなくて、大学を中退して母国に帰る留学生はけっこういらっしゃいます。

 

そもそも留学生に認められている週28時間という制限は、フルタイム雇用の直前に設定されています。入管は、フルタイム雇用の定義を週30時間以上の労働と考えているので、28時間という数字はフルタイム労働に至らないぎりぎり手前まで労働を認めてくれていることを意味します。週30時間以上働いている人は入管の定義では「フルタイム労働者」なので、学生としての本分を放り投げて労働者としての活動をしているフトドキモノ(=入管の用語で、「在留不良者」)という扱いになります。

 

したがって、もしお相手の留学生が週28時間以上のアルバイトをしているときには、配偶者ビザ申請の結果が窮地に追い込まれます。

 

また卒業式を迎えた以後は、資格外活動許可の効力が失われることも注意してください。たとえ在留カードに「資格外活動許可」の記載があっても、卒業後は、たとえ留学ビザの期限はまだ到来していなくても一切アルバイトができなくなります。

こちらは時間超過ではなく、1時間たりとも働くことができない状況でのアルバイトとなるので、もししていることを把握されると大変不利に働きます。

 

資格外活動についてお相手が「みんなやっているから大丈夫!」と言ったとしても、真に受けないでください。

たしかに多くの留学生がやっているのは事実なのですが、入管に把握されれば致命傷になりかねません。実際、多くの留学生が留学途中に更新が認められずに帰国している現実に目を向けましょう。配偶者ビザへの変更の場面でも、更新と同様に「素行の善良性」が求められるので、事情はまったく同じです。

 

もちろん留学生には、資格外活動を行っていない真面目なかたもいらっしゃるので、その場合はご心配無用ですので次の注意点を確認しましょう!

 

配偶者ビザ申請時の注意点②:外国人側の収入は期待できないことが多い

留学生は「学生さん」なので、これは当然かと思います。留学生はアルバイト時間が限られていますし、卒業後就職したとしても、収入の安定性と継続性を立証することはなかなか難しいです。したがって、留学生と出会って結婚をする場合は、日本人が少なくとも社会人数年目であることが多いです。日本人が経済的に外国人を支えることができる場合にはご心配いりません。

 

逆に、留学生も日本人もともに学生で、といういわゆる学生結婚の場合は、配偶者ビザは非常に困難な申請となります。留学生も日本人も大学院生なので、というご相談は時折もちこまれるのですが、親がかりの生活をしていると厳しい戦いを強いられます。

 

配偶者ビザ申請時の注意点③:駆け込み婚になりがち

学生である内に結婚は済ませており同居生活もしていたが、奨学金などとの関係で留学ビザでいたほうが都合がよいため留学ビザを維持していて、卒業のタイミングで配偶者ビザに変更を希望する場合は問題ありません。

 

そうではなく、学校を卒業していよいよ留学ビザも切れようかというときに結婚をすることを「駆け込み婚」と呼び、帰国を免れるための結婚なのではないかと誤解されがちなので、この場合は丹念な立証が求められます。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。