出会いのパターンと配偶者ビザのリスク【2】

~婚活サイトで出会った~

更新日時:2020年6月21日

行政書士 佐久間毅 

インターネット上には、「マッチドットコム」や「ベトナムキューピッド」などの、国際結婚のためのマッチングサイトがいくつもあります。これらのサイト自体は、単に出会いの「場」を提供しているだけですので、有名どころであれば利用したからといって特に問題はないはずです。男女ともに出会いや結婚相手を求めて、そのサイトに自ら登録し、サイトを経由してやり取りを重ね、結婚の合意にいたる方がいらっしゃいます。

しかしインターネット上の婚活サイトで出会った場合は、配偶者ビザの申請において、特有の注意点がいくつかありますので、しっかり押さえていきましょう。

■配偶者ビザ申請の注意ポイント4つ

 

①スピード婚になりがち

②互いの言語に習熟していないことが多い

③対面での交際が少ないことが多い

④悪質ブローカーもサイトを利用している

 

■配偶者ビザ申請時の注意点①:スピード婚になりがち

この出会いかたをされた方は、他の出会いかたをされた方に比べて、圧倒的にスピード婚になりがちです。

男女がサイトに登録した時点で、それぞれ「結婚相手」を切実な思いで探しているのですから、とんとん拍子に結婚まで進むことが多いのは当然のことです。

 

職場で外国人と出会って交際に発展し、よい人なので結婚を意識しはじめ、結婚にゴールインしたという一般的なケースでは、出会いから結婚にいたるまで、交際を重ねるためにそれなりの時間がかかることは容易に想像できると思います。

 

しかし婚活サイトの場合、結婚願望が最高潮に達している男女が、「結婚目的に」出会うので、あっという間に結婚までいってしまうことがあります。スピード婚の場合、真摯な交際であることを証明してくれる写真などの証拠が乏しいので、配偶者ビザの審査において厳しい戦いを迫られることになります。

 

もちろん婚活サイトで出会っても、その後、十分な交際期間を経たうえでご結婚されるカップルも相当数いらっしゃるので、その場合はご心配無用です!

 

■配偶者ビザ申請時の注意点②:互いの言語に習熟していないことが多い

入国管理局は、交際の長さだけでなく「質」も重視しています。その交際の「質」を担保するのが、この言語能力です。第三者を介したり翻訳アプリを使用しないとコミュニケーションが成り立たないという場合は、注意しましょう。

 

インターネット上の出会いなので、互いの言語をほとんど理解できないのに、翻訳アプリを利用して何とかコミュニケーションを成立させているケースがあります。

 

インターネット上のやり取りであれば、時間をかけて返信メッセージを書くこともできるでしょうが、夫婦として婚姻生活を送るようになっても、目の前にいる奥さんや旦那さんとスマホを介してコミュニケーションするつもりなんですか?という入管の疑念に適切に対処できる方はまれでしょう。

 

もちろん例外はあります。例えば、かつて日本に留学されていた方が、帰国後に婚活サイトに登録した場合などです。この場合は、婚活サイトで日本語の堪能な方に出会うことになりますので、その場合は例外であることをアピールすれば問題ありません。

 

■配偶者ビザ申請時の注意点③:対面での交際が少ないことが多い

対面での交際が長きにわたっていれば、特に別途の説明がなくても、「数えきれないほどのデートを繰り返すほど、お互いを必要としているのだな」、ということが第三者に自然と伝わります。偽装婚のために50回もデートを繰り返す人など、そうそういるものではないでしょう。

 

しかし対面での交際が少ない場合は、なぜそれだけの交際で、相手のことを理解することができたのだろうか? という入管の疑問に回答する必要がでてきます。そうでないと、「婚姻の真実性」について立証が不十分であるとして、配偶者ビザが不許可になるからです。入管法で、立証責任は申請人側にあるとされています。

 

お相手が来日の「手段」としてあなたと結婚したのではないとどうして確信をもてましたか?、という入管の疑問に適切に対処する必要があります。もちろん婚活サイトで出会っても、その後十分な対面での交際を経たうえでご結婚された場合は、ご心配無用です!

 

配偶者ビザ申請時の注意点④:悪質ブローカーも利用している

弊社では、中国に関してのご相談が多い傾向にあります。メッセージを交わしていた人物とは別人が空港で待っていたとか、メッセージの日本語能力と実際の人物の日本語能力とに違いがありすぎるとか、相手と実際に対面した時に違和感を感じたとおっしゃる日本人のかたは多いです。

 

このようなケースでは、サイト上でメッセージのやり取りをしていた人物はご本人ではなく、ブローカーの従業員である可能性があります。従業員が日本人とやり取りしてうまく盛り上げておいて、日本人が相手国を訪問した時に、本人にバトンタッチするのです。

 

このような場合に、きちんと相手を見極める時間と機会を設ける方は良いのですが、ひどいケースでは、違和感を感じたがそのまま結婚してきたというかたもいて、このようなケースはその後どのようにフォローしても配偶者ビザが許可されない可能性があります。

 

もちろん、ブローカーの関与していないサイト登録者・利用者も沢山いますので、それを確信できる場合は大丈夫ですので、上記①から③をチェックしてください。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。