もう迷わない! 在留資格「定住者」(定住者ビザ)ってどんな人がもらえるの?

更新:2020年7月7日

行政書士 佐久間毅

定住者ビザについて解説する専門家

 

日常用語としての定住者は、「そこにずっと住んでいる」というニュアンスがあり、永住者とどのように異なるのか疑問に思われるかもしれません。

 

定住者の正式な英語表記も「long-term resident」であり、あたかも「長期」在住者を思わせるネーミングです。

しかしながら定住者ビザには在留期限があって、認められる在留期限は最長でも5年です(更新は可能です。)。

これは他の就労ビザや配偶者ビザなどと同じ扱いであり、決して特別に「長い」在留期間が認められた存在ではありません。

 

定住者は、日本に死ぬまで暮らすことができる永住者とはまったく異なる概念なのです。

 

この記事では、このようなちょっとつかみどころのない在留資格「定住者」を徹底的にわかりやすく解説します!

 

■1 定住者には大別して2種類あります

在留資格「定住者」とは、特別な事情を考慮して居住を認めるのが相当であるとみとめられた外国人を受け入れるための在留資格のことをいいます。正式な呼称ではありませんが、定住者ビザと呼ばれることが多くあります。

 

国際情勢に応じて日本が受け入れようと決めた外国人のうち、従来の在留資格では受け皿がないときに、定住者の在留資格で受け入れてきたという経緯があります。

 

したがって定住者の類型を定めた「告示」には、ミャンマー難民であったり、日本人の子孫である日系人であったり、中国残留邦人であったりと、日本が政策的に受け入れるべきと判断した外国人の類型がならんでいます。

 

これら定住者告示に列挙されている、国が真正面から認めている定住者を「告示定住者」といいます。

※「告示」へのリンクは記事の中ほどでご紹介します。

 

いっぽう告示には列挙されておらず国が表立って公表しているわけではないものの、「認められることがある」定住者もあり、これらは「告示定住者」又は「告示定住者」とよばれています。

 

ご想像の通り、告示に列挙された告示定住者のほうが国が正面から認めたものなので、必要な申請書類も公表されていて申請もしやすいですし、許可もされやすいです。

 

いっぽう告示外定住は必要な書類を法務省が公表していないなどいばらの道です。

※ビザを専門とする行政書士は把握していますので安心してください。

 

もし告示外定住の申請をお考えの方は、国が正面から認めていないため必要な書類さえ公表されていないイレギュラーな類型なのだということを、強く認識し慎重に準備をすすめてください。

 

告示定住者と異なり告示外定住者は、在留資格認定証明書交付申請により海外から呼び寄せることも制度上できません。

 

それでもいったん「定住者」として認められてしまえば、告示定住も告示外定住も等しく扱われ、いずれも日本における活動に制限はなく、職種も時間も制限なく自由にはたらくことができます。

 

■2 告示に定められた定住者(告示定住)にはどんな類型があるの?

告示定住者については、次の法務省ホームページで詳細を確認していただくことができますが、込み入っていますので、大枠を以下で解説します。

 

〇関連サイト(定住者告示)

 

法務省ホームページ 

 

★告示定住者★

告示1号:タイ国内において一時的に庇護されているミャンマー難民
告示2号:マレーシア国内に一時滞在しているミャンマー難民
告示3号:日本人の子として出生した者の実子であって素行が善良であるもの(日系2世・3世
告示4号:日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子であって、
      素行が善良であるもの(日系3世
告示5号:イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したもの配偶者
      ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者(日系2世・3世以外の定住者)の配偶者
      ハ 一年以上の在留期間を指定されている定住者(日系2世・3世である定住者)の配偶者であって、
        素行が善良であるもの
告示6号:日本人、永住者、特別永住者、1年以上の在留期間の定住者又はこれらのものの配偶者(在留資格「日本人の配偶者等」
      または在留資格「永住者の配偶者等」をもつものに限る。)の扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子
告示7号:日本人、永住者、特別永住者、1年以上の在留期間の定住者の扶養を受けて生活するこれらの者の6歳未満の養子
告示8号中国残留邦人関係者

 

【解説】

1号・2号は、第三国に一時的に滞在するミャンマー難民です。

 

3号は日系2世と3世です。

 

4号は日系3世です。日系3世は3号でも受け入れられますが、これは3世になる経緯(外国に帰化する前に産んだ子なのか否かなど)にいくつかのパターンがあるためです。

 

5号ロ・ハは定住者の配偶者を受け入れる規定ですが、それとのバランスにおいて受け入れることが適当と判断された日本人の子の配偶者をイにおいて定めています。

 

6号はいわゆる「連れ子」の規定です。連れ子は告示定住ではありますが、日本が一方の親の同意なく子どもを元の居住国から出国させることを禁ずるハーグ条約の締約国であることからくる対応が必要ですので、素人判断ではなくかならずみんビザ™がお勧めする行政書士への相談が必要です。

 

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なお、いわゆる「連れ親」は特定活動の在留資格が認められることもありますが、きわめて高いハードルが設けられています。

 

7号は6歳未満の養子です。要するに、普通養子は小学校に就学する前の幼児でなければ受け入れることはできません。

 

8号は中国残留邦人の関係者です。

 

■3 告示に定められていない定住者(告示外定住)にはどんなカテゴリーがあるの?

定住者の定義は、「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」ですから、法務大臣が認めればどのような者でも理論上は定住者となりうるわけですが、ここでは定住者告示にはのっていないものの、定住者として認められる可能性がある者のうち、筆者がお手伝いをするケースが多いもの(3.2、3.3)と、該当者が多いもの(3.1)、人道上知っておいていただきたい(3.4)告示外定住について取り上げます。

 

3.1 認定された難民【告示外定住】

難民認定の手続きの結果、難民と認定された方には、一部の例外を除き「定住者」の在留資格が与えられます。

これは告示外とはいっても入管法に根拠がある定住者です(入管法61の2の2第1項)。

 

3.2 日本人や永住者と離婚した者(いわゆる離婚定住)【告示外定住】

離婚定住とは、これまで日本人、永住者、特別永住者の配偶者として在留資格「日本人の配偶者等」または在留資格「永住者の配偶者等」を有していた外国人が、離婚後も引き続いて日本で暮らすことを希望する場合に、一定の要件を満たすことを立証したときに認められる告示外定住です。

 

法律や告示に根拠を求めることができない定住者で、法務省のホームページでも必要書類が公開されていません。

そのようなイレギュラーな申請になるため、かならずみんビザがお勧めする行政書士にご相談ください。

 

離婚定住について詳しく解説した関連記事をご確認ください。

 

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3.3 日本人の実子を養育する者【告示外定住】

多くは離婚定住の一類型(離婚した時に別れた日本人とのあいだに子がいるケース)として認識されますが、婚姻関係にない日本人との間に産んだ子(日本人の実子を監護養育している場合も、告示外定住が認められることがあります。

 

子のない離婚定住とは異なり日本人の実子がいる場合には、日本における3年以上の生活は求められません。なぜなら、日本人の実子を養育している時点で、たとえ日本に3年未満しか暮らしていなかったとしても、日本との紐帯(結びつき)が強いといいうるからです。

 

法律や告示に根拠を求めることができない定住者で、法務省のホームページでも必要書類が公開されていません。

そのようなイレギュラーな申請になるため、かならずみんビザがお勧めする行政書士にご相談ください。

 

3.4 家族滞在の在留資格で小学校3年以降の日本の義務教育を修了し、日本の高校を卒業する者

ある種の救済として認められることがあります。親が就労ビザで日本で就労していたが何らかの事情で帰国を余儀なくされたため今後は家族滞在の在留資格を維持することができず、かつ、大学に進学して留学の在留資格を取得することができないような場合に、その後も日本にとどまることができるように認められることがある告示外定住です。

 

ただしこの告示外定住が認められるためには中学や高校から日本にやってきたようなかたは認められません。

小学校高学年まで母国で暮らしてきたようなかたは、帰国が困難とまではいえないとの判断です。

 

酷なようにも思えますが、このような場合は、日本の大学や専門学校へ進学すれば留学の在留資格を得られ、卒業後に就職をし就労ビザを得て、最終的には永住にたどりつく可能性もあります。

 

■4 永住者と定住者の違いは結局どこにあるの?

永住者は、在留期限に制限がなく(更新することなく)死ぬまで日本に滞在することができ、かつ、活動に制限がありませんのですべての職種で時間の制限なく働くことができる存在です。

 

これにたいし定住者の在留期限には他の在留資格と同様に最長でも5年という制限がある(更新することは可能です。)いっぽうで、活動に制限はありません。定住者も永住者と同じく、時間無制限に工場などにおいて単純労働に従事することも可能です。

 

永住者と定住者の共通点は「活動に制限がない(就労が職種・時間ともに自由である)」点であり、相違点は在留期限にあるといえます。

 

この記事で定住者として認められる類型をさまざまご紹介してきましたので、在留資格「定住者」のイメージをつかんでいただくことができたのではないでしょうか。

 

最後に老婆心ながら、永住者も定住者ともに「活動に制限がない」とはいいながら、退去強制事由に該当することをしてしまえば両者とも退去強制になりますし、在留資格取消事由に該当することをしてしまえば、永住者も定住者も在留資格が取り消されます。

 

また、再入国許可の制度の理解が甘いと、永住者、定住者ともに在留資格を失うこともあります。

 

永住者、定住者ともに、日本の法律をよく知りよく守っていらっしゃるかぎりにおいて、日本で楽しく生活していただけるはずです。

東京のアルファサポート行政書士事務所はそのためのお手伝いをさせていただきます。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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