在留資格認定証明書とは 【徹底解説】

更新:2020年7月4日

行政書士 佐久間毅

在留資格認定証明書の専門家

■ひとこと解説

>> 在留資格認定証明書とは、来日を希望する外国人のために、法務大臣があらかじめ上陸基準適合性を審査し、これを認める場合に発行する証明書です。

>> 海外から中長期的に日本に滞在する外国人を招へいする際に必要となります。

>> 在留資格認定証明書には3カ月の有効期限があります。※2020年7月現在、新型コロナウイルス対応として後述の措置あり。

■くわしく解説

在留資格認定証明書とは、海外から外国人を仕事や家族生活のためなどを目的として中長期的に招へいする際に、外国人が手続きを迅速化するために、在外公館で査証(ビザ)を申請する事前準備として、あらかじめ法務大臣に日本に上陸するための条件を満たしていることを審査してもらい、適合していると認められた場合にこれを証明してもらう書面のことをいいます。

以下、東京・六本木のビザ専門行政書士事務所が、在留資格認定証明書についてわかりやすく解説します。

 

在留資格認定証明書
在留資格認定証明書

-1 在留資格認定証明書とは

海外にいる外国人が日本に中長期的に滞在することを希望する際には、必ず、日本の在外公館で査証(ビザ)を取得する必要があります。

短期滞在であれば査証免除国であれば査証を取得する必要はありませんが、中長期滞在の場合は例えばアメリカ人のような査証免除国の国民であっても査証(ビザ)を取得しなければなりません。

 

かつては、査証を希望する外国人が在外公館に査証の申請をしたあとに、在外公館→外務本省→法務本省→入国管理局→日本の招へい人→入国管理局→法務本省→外務本省→在外公館という順番で情報を伝達し査証を発給するかを決めていました。しかしながら伝言ゲームさながらの迂遠なルートであるため、査証の審査や発給に大変な時間を要し、外国人が在外公館に査証を申請する前に、法務大臣からあらかじめ審査を受けるという在留資格認定証明書の制度が生み出されました。

 

新旧いずれの制度でも在外公館と法務大臣の審査を受けることに変わりはないのですが、それらを結ぶ順序を変更したことにより、大幅な時間短縮(といっても平均2か月程度かかりますが)が実現したのです。

 

在留資格認定証明書とは、日本に上陸を希望する外国人が日本で行なおうとしている活動が上陸のための基準(在留資格該当性、基準適合性)に適合しているかどうかについて、法務大臣があらかじめ審査し、適合していると認める場合にこれを証明するために交付される書面です。

 

わかりやすく言うと、外国人が在外公館(海外にある日本大使館や日本領事館)に査証(ビザ)をいきなり申請するのではなく、法務大臣に外国人が希望している活動が入管法に照らして在留資格を与える条件を満たしているかどうかを事前に審査をしてもらい、

条件に適合しているとみとめられればそれを証明する書面(在留資格認定証明書)を発行してもらいます。

 

法務大臣が発行した在留資格認定証明書を査証申請のさいに在外公館に提出すれば、在外公館は法務大臣が在留資格を与えるに値するとみとめたことがわかるので、査証の審査がスムースにいくことが期待できます。

 

在留資格認定証明書の申請の流れ
出所:法務省

-2 在留資格認定証明書には「有効期限」があるの? そのほかの理由で「失効」することは?

在留資格認定証明書の有効期限は発行日から3カ月とされており、この有効期限内に査証を受けたうえで来日する必要がありますが、2020年7月現在は、新型コロナウイルス対応のため有効期限を延長する措置がとられています。

 

【追記】

令和2年6月26日付の出入国在留管理局作成のお知らせでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため多くの国が上陸拒否の対象国とされていることをうけて、「在留資格認定証明書の有効期間については,通常は「3か月間」有効としているところ,現下の状況を踏まえ,申請人の滞在国・地域に係る入国制限措置が解除された日から6か月又は2021年4月30日までのいずれか早い日まで有効なものとして取り扱うこととしています。」としています。最新情報を常に確認しましょう。

 

在留資格認定証明書の有効期限は3カ月ですが、それ以前に、認定の前提となった事実が失われると、失効することがあります。

たとえば就労を目的とする在留資格認定証明書の場合、在留資格認定証明書には働く法人名が明記されます。来日前にこの企業から採用を取り消されてしまえば、当然にこの在留資格認定証明書を用いて査証申請をしたり入国することができなくなります。

また日本人の配偶者等の在留資格認定証明書の場合も、来日前に日本人と離婚してしまえば、その時点で在留資格認定証明書は失効します。

 

-3 在留資格認定証明書は、「なぜ」必要なの?

在留資格認定証明書は最初に在外公館で提示することにより、在外公館はあらかじめ法務大臣が上陸基準適合性を認めていることを了知できるので、査証の発給がスムースになります。

ただし、在外公館は外務省の機関であり、法務大臣は法務省の機関であるため、在留資格認定証明書が交付されていても在外公館の独自の判断で査証が発給されないことはありえます。

 

また来日した際に空港や海港で在留資格認定証明書を提出すると、上陸基準適合性を証明済みの者として扱われるため、上陸審査もスムースに進みます。

 

- 4 在留資格認定証明書を申請することが「できない」場面もあるの?

短期滞在を希望する場合には、在留資格認定証明書を申請することができません。この場合は、直接、在外公館に査証申請をします。

また、中長期の在留資格を希望する場合であっても、いわゆる告示外特定活動と、告示外定住については、在留資格認定証明書の交付を申請することができません。

 

特定活動や定住者については、典型的な事例が「告示」に定められていますが、その告示に列挙されていない例外的なケースの場合は在留資格認定証明書を交付申請できません。

告示外特定活動の典型は「連れ親」や「同性婚パートナー」であり、告示外定住の典型は、「離婚定住」です。

 

- 5 在留資格認定証明書は、「誰が」申請できるの?

何らかの在留資格(たとえば短期滞在)で日本に滞在している外国人本人のほか、その招へい人が申請をすることができます。

 

- 6 在留資格認定証明書は、「どこに」申請するの? 申請の「手数料」はいくらなの?

管轄の出入国在留管理局に申請をします。入管に支払う役所の手数料は、他の在留許可申請と異なり「無料」です。

行政書士に依頼する場合は、行政書士報酬がかかります。

 

- 7 在留資格認定証明書は、どのような「流れ」で申請するの?

ステップ1:在留資格認定証明書交付申請の「準備」をします

 

立証すべき要件や必要書類は在留資格ごとに異なりますので、よく調べて準備します。

行政書士に依頼する場合は、許可を勝ち取るために綿密な打ち合わせしましょう。

 

ステップ2:出入国在留管理局へ「申請」します

 

全国どこにでも申請できるのではなく、管轄があるので注意しましょう。

行政書士依頼する場合は行政書士のみで申請することができますので、ご本人や招へい人は入管へ出向く必要はありません。

 

ステップ3:出入国在留管理局が「審査」します

 

審査期間は在留資格にもよりますし、そのかたの状況にもよります。出入国在留管理局は標準処理期間を1か月から3カ月と公表しています。

 

ステップ4:出入国管理局が「在留資格認定証明書」を交付します

 

許可の場合も不許可の場合も、入管から通知があります。在留資格認定証明書や不許可の通知は郵便で送られてきます。

行政書士に依頼した場合は、行政書士の事務所宛に送られます。

 

ステップ5:在留資格認定証明書を海外の外国人に「郵送」します

 

在留資格認定証明書は、外国人本人が原本を査証申請に使用しますので、原本を海外のご本人に送ります。

 

ステップ6:査証(ビザ)を「申請」します

 

外国人は在留資格認定証明書やパスポートなどを在外公館に提出して査証の申請をします。

 

ステップ7:在外公館が「審査」します

 

在外公館が独自の観点から査証を発給するか審査します。

 

ステップ8:在外公館が査証を「発給」します

 

査証発給の条件を満たしていれば、領事官等が査証を発給します。

 

ステップ9:来日し、上陸審査を受けます

 

到着した空港や海港で在留資格認定証明書を提出すると、上陸基準に適合している者として扱われます。

上陸が許可されると、主要な空港では在留カードがその場で発行されます。

 

ステップ10:市区町村役場で住民登録をします

 

空港で受領した在留カードには住所が記載されておらず住民登録が完了していません。

住居地の市区町村役場で住民登録をします。この手続きを正当な理由なく怠ると退去強制事由ですのできちんとやり遂げましょう。

 

在留資格認定証明書の申請の流れ
出所:法務省

- 8 在留資格認定証明書を申請するにはどんな「書面」が必要なの?

在留資格ごとに必要書類が異なります。配偶者ビザについては次の記事でわかりやすく解説しています。

 

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配偶者ビザ 必要書類

 

- 9 在留資格認定証明書交付申請では何を「立証」すればよいの?

在留資格ごとに異なりますが、それぞれの在留資格適合性と基準適合性を立証します。

入管法で立証責任は申請人側にあるとされていますので、立証に失敗すれば不交付となります。

 

- 10 在留資格認定証明書を「紛失」したり「汚損」したらどうなるの?

在留資格認定証明書を汚損した場合は再発行が可能ですが、紛失した場合は再発行はされず、申請をやり直すこととなります。

 

- 11 在留資格認定証明書が「不交付」になったらどうなるの?

不許可となったら同じ目的では半年間申請ができなくなる査証とは異なり、在留資格認定証明書交付申請は不交付となった次の日に申請することも制度上は可能です。

しかしながら、不交付理由を取り除かないと何度申請しても同じ結論となるのは自明ですので、態勢を整えてから再チャレンジしましょう。一度、組織のトップである出入国在留管理局長の名前で不交付とされていますので、その判断をくつがえすのには相応の努力を要します。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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