出会いのパターンと配偶者ビザのリスク【2】

~SNSで出会った~

更新日時:2020年6月21日

行政書士 佐久間毅 

昔であれば学校や職場など、結婚相手には対面で出会うしかなかったわけですが、今は地球の裏側の人ともSNSを用いて瞬時に知り合うことができます。

そこが現代に生きる醍醐味と言えるでしょうし、実際、お手伝いする件数も増加傾向にありますが、国の統計上もまだまだ出会い方としてメジャーとは言えません。

インターネット上のSNSで出会った場合は、配偶者ビザの申請において、特有の注意点がいくつかありますのでポイントを押さえていきましょう。

■配偶者ビザ申請の注意ポイント3つ

 

①統計上も、まだメジャーとは言えない出会い方であることを認識して、その後の交際をきちんと立証

②テキスト・音声・画像での交際が長く、対面での交際が少ないことが多い

③互いの言語に習熟していないことが多い

 

■配偶者ビザ申請時の注意点①:増えつつあるがまだメジャーではない

配偶者ビザ申請と夫婦が出会ったきっかけ
(出所)出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)

1982年には「夫婦が出会うきっかけ」として最もメジャーだった「お見合い」は、2015年の調査では6.5%にまで激減しています。一方で夫婦の出会いのきっかけの多様化とともに、1982年にはわずか2.5%であった「その他・不詳」の構成比が2015年には7.0%にまで拡大していて、インターネット上のSNSでの出会いもここに含まれています。

「その他・不詳」の項目は、新しい出会い方として徐々に構成比を高めていますが、それでも全体の7.0%に過ぎませんので、その後どのように対面での交際をしたのかをきちんと立証することが配偶者ビザ申請のキモになります。

 


■配偶者ビザ申請時の注意点②:対面での交際が少ないことが多い

対面での交際が長きにわたっていれば、特に別途の説明がなくても、「数えきれないほどのデートを繰り返すほど、お互いを必要としているのだな」、ということが第三者に自然と伝わります。偽装婚のために(全国平均である)4年も交際し、その間にデートを数えきれないほど繰り返す人など、そうそういるものではないでしょう。

 

しかし対面での交際が少ない場合は、なぜそれだけの交際で、相手のことを理解することができたのだろうか? という入管の疑問に回答する必要がでてきます。そうでないと、「婚姻の真実性」について立証が不十分であるとして、配偶者ビザが不許可になるからです。入管法で、立証責任は申請人側にあるとされています。

 

お相手が来日の「手段」としてあなたと結婚したのではないとどうして確信をもてましたか?、という入管の疑問に適切に対処する必要があります。もちろん婚活サイトで出会っても、その後十分な対面での交際を経たうえでご結婚された場合は、立証をきちんとおこなえばご心配無用です!

 

■配偶者ビザ申請時の注意点③:互いの言語に習熟していないことが多い

入国管理局は、交際の長さだけでなく「質」も重視しています。その交際の「質」を担保するのが、この言語能力です。第三者を介したり翻訳アプリを使用しないとコミュニケーションが成り立たないという場合は、注意しましょう。

 

インターネット上の出会いなので、互いの言語をほとんど理解できないのに、翻訳アプリやSNSに内蔵された翻訳機能を利用して何とかコミュニケーションを成立させているケースがあります。

 

インターネット上のやり取りであれば、時間をかけて返信メッセージを書くこともできるでしょうが、夫婦として婚姻生活を送るようになっても、目の前にいる奥さんや旦那さんとスマホを介してコミュニケーションするつもりなのですか?という入管の疑念に適切に対処できる方はまれでしょう。

 

もちろん例外はあります。例えば、かつて日本に留学されていた方が、帰国後に婚活サイトに登録した場合などです。この場合は、婚活サイトで日本語の堪能な方に出会うことになりますので、その場合は例外であることをアピールすれば問題ありません。

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。